週明けの日経平均は反発、一時は38,000円を割り込む
12月相場入りとなった週明けの日経平均は反発し、38,500円を回復する展開となりました。一時は38,000円を割り込む場面がありましたが、後場に向けては米国株高を背景に買い優勢に転じる展開となりました。一方、主力銘柄の多くに買いが入り、市場全体を示すTOPIX(東証株価指数)は200日移動平均線を上回って終えました。
東証プライム市場の売買代金は概算で3兆9,900億円。値上がり銘柄数1066に対して、値下がり銘柄数512と値上がり優位の展開でした。業種別では、保険、銀行、非鉄金属などが強い上昇となる一方、下落は小売のみにとどまりました。
個別では、日経新聞の植田総裁へのインタビュー記事を手がかりに日銀の12月利上げが意識されたことから、三井住友FG(8316)、東京海上(8766)など金融株が大幅上昇。地銀株にも資金が向かいました。売買代金上位では、フジクラ(5803)や日立(6501)など今年強く買われた銘柄の値動きの良さが目立ちました。一方、柳井社長兼会長の発言に対して中国で反発の動きが広がっていると一部メディアで報じられたファーストリテイリング(9983)が軟調。村田製作所(6981)、ニデック(6594)など、ハイテク系の一角が逆行安となりました。
週足でみる三井住友FGの株価推移
図表は、三井住友フィナンシャルグループ(8316)の2023年8月からの週足のローソク足に加え、13週・26週・52週移動平均線です。下位は、売られ過ぎや買われ過ぎ、勢いなどをみるオシレータ系指標で代表的な相対力指数のRSI(9週ベース)の推移です。
大局的な流れとしては、上昇基調が続く52週移動平均線付近をサポートに上昇波動が続いているという判断になります。
今年8月の急落場面では、7月高値(3,783.2円)からのスピード調整につながる動きになりました。しかし、8月安値(2,593.6円)は2023年9月高値(2,613.5円)を下値で意識する格好となり、急速に切り返す動きとなりました。
8月の戻り高値(3,444.9円)からは再び下値を試す展開となりましたが、しっかり52週移動平均線がサポートになって、持ち直す動きが確認できます。
持ち直す動きを通じて、下向きに転じた13週移動平均線が上向きに転じたことが確認できます。この状況で、7月高値(3,783.2円)から水平に引ける抵抗線を上回れば、一段高が期待できる状況でした。しかし、週明けは金融株に買いが波及し、三井住友フィナンシャルグループの株価は3.7%高と急伸。7月高値を上回り、年初来高値を更新しました。
年初来高値更新によって、上昇波動が続いていることが確認できました。当面は7月高値から8月安値までの下落幅に対する倍返しとなる、4,970円どころが上値めどとして予想することが可能になりました。
13週移動平均線が26週移動平均線を上回るGC(ゴールデンクロス)につながる可能性が高く、買い継続の投資スタンスが有効になることが予想されます。
一方、RSI(9週ベース)は過去の買われ過ぎの水準まで上昇しています。当面は4,970円どころが上値めどになりますが、短期的には過熱感から下押す動きも想定しておく必要があります。