先週の日経平均は35,000円台前半で下げ渋る
先週の日経平均は35,000円台前半で下げ渋り、乱高下したものの週間ベースでは上昇して終えました。円高への警戒がくすぶり続ける中、前の週からの下げが止まらず、11日まで7日続落。注目された米8月消費者物価指数(CPI)を消化して米国株が上昇したことを好感し、12日には1213円高と4桁の上昇。メジャーSQ算出日となった13日は円高が重荷となり、反落して終えました。
13日の東証プライム市場の売買代金は概算で4兆2,100億円。メジャーSQの割には盛り上がりに欠ける展開でした。値上がり銘柄数358に対して、値下がり銘柄数は1234となり、値下がり優位の展開となりました。業種別では海運、鉱業、鉄鋼などが上昇した一方、ゴム製品、輸送用機器、医薬品などが下落しました。
個別では、証券会社の新規カバレッジが入った川崎重工業(7012)が7.3%高。三菱重工業(7011)やIHI(7013)も連れ高しました。東京エレクトロン(8035)、アドバンテスト(8035)など半導体株が全般堅調に推移しました。
一方、円高進行を嫌気して、トヨタ自動車(7203)、マツダ(7261)、SUBARU(7270)など自動車株が軒並み安。人員削減を発表したリコー(7752)が弱く、オフィス事務機を手がけるキヤノン(7751)に警戒売りが広がる展開となりました。
週足でみるリコーの株価推移
図表は、リコー(7752)の2020年6月頃からの週足のローソク足に加え、25日・100日・200日移動平均線です。下位は、売られ過ぎや買われ過ぎ、あるいは相場の勢いなどをみるオシレータ系指標で代表的な相対力指数のRSI(9週ベース)の推移です。
大きな流れとしては、下値を切り上げる上昇波動が確認できます。2020年6月安値(625円)を始点に2023年3月安値(946円)を通る右上がりの支持線(トレンドライン)が主要な下値のサポート役として、2023年10月頃からの短期下落相場や、今年8月上旬の急落局面では下げ止まりの目安になっていることがわかります。
2021年6月高値(1,429円)からの下落調整局面が長く続きました。2023年9月に1,353.5円まで上昇し、2021年6月高値に近づく場面もありましたが、押し戻された経緯があります。その後、上述したように支持線上で2023年12月に安値(1,048円)をつけ、再び上昇局面となりました。
一方、2021年6月高値を超えられない状況にある限り、2020年6月安値を始点とした大きな上昇波動を確認することはできません。下値を切り上げる動きは継続していましたが、上値(高値)を切り上げる(更新する)かどうかは、2023年12月安値からの反転上昇だけではわからないからです。
しかし、今年6月の上昇局面において、2021年6月高値を上回る展開となりました。この時点で、上値(高値)を切り上げたことになるため、大きな上昇波動であることを確認できました。
当面は短期的な調整を挟みながらも、上昇波動における当面の上値余地を探る展開が予想されます。上値を予想する一般的な手法の1つに一目均衡表の4つの計算値があります。N、V、E、NT計算値の4つです(以下参照)。あくまでも参考値ですが、市場参加者の間でもよく使われる手法です。
N計算値・・・(1,429円-625円)+937円=1,741円
V計算値・・・(1,429円-937円)+1,429円=1,921円
E計算値・・・(1,429円-625円)+1,429円=2,233円
NT計算値・・・(937円-625円)+937円=1,249円
以上から、NT計算値はすでに上回っていることから、次はN計算値を予想値とすることができます。