2025年大発会の日経平均は大幅続落
2025年大発会の日経平均は大幅続落。東京市場が休場の間の米国株は軟調でしたが、序盤はプラス圏で推移する場面がありました。一方、買い戻しが一巡した後は売りに押される展開となり、後場は戻り切れずにきょうの安値圏で取引を終えました。
東証プライム市場の売買代金は概算で4兆4,800億円。値上がり銘柄数357に対して、値下がり銘柄数1243と値下がり優位の展開でした。業種別では、海運、鉱業、石油・石炭などが上昇した一方、輸送用機器、小売、サービスなどが下落しました。
個別では、3日の米国でエヌビディアが強く買われたことから、アドバンテスト(6857)やディスコ(6146)など半導体株が上昇。野村マイクロ・サイエンス(6254)がストップ高まで買われたほか、オルガノ(6368)が3%超上昇するなど、超純水関連に強い動きがみられました。一方、トヨタ自動車(7203)が4.3%下落するなど自動車株の一角が売られたほか、IHI(7013)や川崎重工(7012)など防衛関連が大幅安。今週決算発表を控えているファーストリテイリング(9983)が4.2%安と派手に下落しました。
週足でみる野村マイクロの株価推移
図表は、野村マイクロ・サイエンス(6254)の2023年8月からの週足のローソク足に加え、13週・26週・52週移動平均線です。下位は、売られ過ぎや買われ過ぎ、勢いなどをみるオシレータ系指標で代表的な相対力指数のRSI(9週ベース)の推移です。
大きな流れとしては、2023年10月頃から始まった強い上昇相場が2024年4月高値(6,370円)で一巡し、4月以降は「三尊天井」のようなパターンを形成し、弱気相場が長く続いている状況です。
52週移動平均線を割り込むあたりまでの下落相場の前半は比較的長い陰線を形成する場面が目立ちましたが、後半の特に10月以降は短い陰線が続いたことが確認できます。これは下落モメンタムが減速していることを示唆しています。
12月安値(1,541円)に向けて下落モメンタムが減速したのは、2023年10月頃から始まった上昇相場の始点に近くなってきたことで、押し目買いが入り始めた可能性が考えられます。
一方、直近で大きな変化が生じたのは、13週移動平均線を一気に上回る長い陽線を形成したことです。これまでの長い下落相場の中では、見られなかった現象です。また、長い陽線によって、直近の短い複数の陰線を一気に帳消しにする動きになったことです。
かつての人気株だっただけに、このような目立つ動きが週間ベースで出てくると利ザヤ狙いの短期投資家が参入します。それによって、週足では珍しいマドを形成して年末高につながりました。
売られ過ぎや買われ過ぎ、勢いなどをみるRSI(9週ベース)も半年程度みることがなかった50%超えの強気シグナルを発したことが確認できます。過去にも同様のシグナルが発したあとに上昇相場につながった経緯があります。
大発会となった1月6日は、短期の買い参入がさらに増加し、再びマドを形成して26週移動平均線を上回ってきました。
今回の強い反転上昇によって、13週移動平均線は上向きに転じるかたちとなりましたが、26週移動平均線は依然として下向きが続く可能性が高いといえます。そのため、株価は短期的な過熱感から反落が生じることが予想されますが、底割れしない状態で値固めを経て、52週移動平均線付近まで戻ることができるかが、今年前半の注目どころとなりそうです。