週明けの日経平均は大幅続伸、一時は39,000円台乗せ
週明けの日経平均は大幅続伸。米国株高を好感して序盤は騰勢を強め、10時前後に39,000円に乗せる場面がありました。一方、買い一巡後は上げ幅を縮小し、後場は前場のレンジを意識した動きにとどまりました。
東証プライム市場の売買代金は概算で6兆5,000億円。値上がり銘柄数744に対して、値下がり銘柄数823とやや値下がり優位の展開でした。業種別では、サービス、保険、医薬品などが上昇した一方、鉄鋼、非鉄金属、水産・農林などが下落しました。
個別では、メディア記事で旧村上ファンド系による株式取得が報じられた京成電鉄(9009)と京浜急行電鉄(9006)がそろって2桁の上昇率となり、プライム値上がり率の1位と2位にランクイン。自己株取得を発表した三井化学(4183)が大幅上昇。証券会社が投資判断を引き上げた小林製薬(4967)やコンコルディア(7186)が買いを集めました。一方、米エヌビディアの大幅安を嫌気して、アドバンテスト(6857)が大幅安となり、フジクラ(5803)やIHI(7013)が軟調に推移しました。
週足でみる京成電鉄の株価推移
図表は、京成電鉄(9009)の2022年6月からの週足のローソク足に加え、13週・26週・52週移動平均線です。下位は、売られ過ぎや買われ過ぎ、勢いなどをみるオシレータ系指標で代表的な相対力指数のRSI(9週ベース)の推移です。
大局的な流れとしては、2023年1月安値(3,460円)からの大きな二段上げの上昇相場が今年2月高値(7,676円)で一巡し、大きな下落相場が続いているという判断となります。
8月までの下落はほぼ一本調子の値幅調整となり、それ以降は下落の勢いは減速したものの、13週移動平均線に頭を抑えられる日柄調整が続いています。
10月には3,742円まで下げ幅を広げ、8月安値(3,831円)を下回る展開となり、高値と安値を切り下げる典型的な弱気相場といえます。
一方、株価が8月から10月にかけて水準を切り下げる一方、RSI(9週)は逆に下値を切り上げる動きになっています。これは「強気のダイバージェンス」という逆行現象であり、まもなく株価の反転上昇を示唆する先行サインになるケースが多いです。
8月以降の日柄調整が進んだことで、13週移動平均線の下向きの角度も緩やかになっている点がポイントです。上記の強気のダイバージェンスとあわせ、きっかけ次第では株価が13週移動平均線を上抜けるタイミングに近いという状況でした。
そういった状況の中、東洋経済オンラインが25日、アクティビスト(物言う株主)として知られる旧村上ファンド系の投資会社が、京浜急行電鉄および京成電鉄の株式を保有したと報じたことが材料視されました。
株価は寄り付きから上げ幅を拡大し、一時は18%を超える場面がありました。結局、先週末比531円高の4,370円を終え、直近高値である4,334円を上回る展開となりました。
週足では、26週移動平均線で頭を抑えられるかたちになりましたが、13週移動平均線が上向き転換する可能性により近づいたことになります。いずれにしても、直近高値を超えたことで安値を切り上げる「二番底」が形成されました。
ここから9月高値(4,655円)を上回る展開につながれば、下落相場から上昇相場に移行した可能性がより高まるでしょう。当面は、52週移動平均線が推移する5,500円付近や、今年2月高値からの下落幅に対する半値戻しとなる5,700円付近が上値のメドになる、と予想することができる局面になったとみられます。