先週末の日経平均は反落
先週末の日経平均は反落となりました。米国株はまちまちの動きでしたが、円高進行を嫌気して3ケタの下落でスタート。円安に振れると値を戻す場面もありましたが、買い戻し一巡後は売りに押される展開となりました。米雇用統計の発表や日米首脳会談などを控えていたこともあり、後場は様子見姿勢の中で弱含む展開となりました。
東証プライム市場の売買代金は概算で4兆5,700億円。値上がり銘柄数751に対して、値下がり銘柄数827と値下がり優位の展開となりました。業種別では、鉄鋼、石油・石炭、海運などが上昇した一方、ガラス・土石、精密機器、不動産などが下落しました。
個別では、前日決算を材料にルネサスエレクトロニクス(6723)が連日で大幅上昇となりました。メディア報道から鴻海による買収期待が高まった日産自動車(7201)が大幅高。上期が大幅増益となったメルカリ(4385)がストップ高まで買い進まれました。一方、3Q大幅増益を受けても東京エレクトロン(8035)が4%台の下落。1銘柄で日経平均を約106円押し下げました。IHI(7013)は通期見通しを上方修正しましたが、修正幅が物足りないとの見方から大幅下落。AGC(5201)や日本板硝子(5202)などガラス関連が決算を受けて大幅安となりました。
週足でみるメルカリの株価推移
図表は、メルカリ(4385)の2021年9月頃からの週足のローソク足に加え、13週・26週・52週移動平均線です。下位は、出来高の推移です。
大局的な流れとしては、2021年11月につけた高値(7,390円)の大天井からの弱気相場が続いています。
2022年6月に安値(1,850円)まで売られたあとは二段上げの波動による上昇相場がありましたが、2023年8月に戻り高値(3,755円)を形成。2021年11月高値から2022年6月安値までの下落に対する1/3戻し程度まで戻る局面がありました。
一方、再び下落相場に転じ、下値模索が続きました。2024年4月安値(1,700.5円)で下げ止まりましたが、2022年6月安値を割り込みました。
その後は、下値を切り上げる二段上げの波動で戻る場面があり、2023年8月高値を始点とした右下がりの抵抗線①を上回り、2024年9月に一時は2,774円まで上昇しました。しかし、2023年10月安値(2,886.5円)のフシ近くから反落調整に転じました。
2023年10月安値のフシは、2023年8月高値からの下落相場を最初に確認した当時の下値のフシ(ネックライン)になるため、今度は上値のフシとして上昇が一服する水準になる可能性が高かったわけです。
ポイントは、次の調整時にどこまで下落したかです。実際には、今年の1月に1,631円まで下落し、2024年4月安値(1,700.5円)を下回りました。そういった観点からも、2021年11月高値からの(安値を更新する)弱気相場は依然として続いているという判断となります。
一方、先週末のストップ高で2,307円まで上昇し、2023年8月高値を始点とした右下がりの抵抗線②付近まで上昇しました。このまま、抵抗線②を上回り、2024年9月高値(2,774円)を超えていけるかが焦点になります。
2024年9月高値を超えることができれば、2023年8月高値からの短期的な弱気相場が強気相場に転換した可能性を高めるサインになりえるからです。
逆に、抵抗線②から反転下落となり、今年1月安値(1,631円)を下回る場合は、大局的な動きはもちろん、短期的な弱気相場が依然として続いているということになります。
大局的な弱気相場が強気相場に転換するには、2024年9月高値を超えただけではいけません。大局的な強気相場への転換の確認は、2023年8月高値を超えてからになることを認識しておく必要があります。