週明けの日経平均は4日続伸
週明けの日経平均は4日続伸。米国株高や円安を好感して買い優勢の展開となりました。36,000円の心理的節目や3月11日安値(35,987円)付近を意識して伸び悩む動きとなったもの、終日マイナス圏に沈むことなく底堅く推移しました。
東証プライム市場の売買代金は概算で4兆7,200億円。値上がり銘柄数1107に対して、値下がりは487銘柄と、値上がり優位の展開でした。業種別では、輸送用機器、建設、銀行などが上昇した一方、繊維、証券・商品先物、電気機器などが下落しました。
個別では、非公開化観測が報じられた豊田自動織機(6201)がストップ高比例配分。グループ再編期待からトヨタ自動車(7203)にも強い買いが入りました。1Q減益見通しも自己株取得が評価された信越化学工業(4063)が急伸。トランプ政権が日本に軍民両用の造船を要請したとの観測を手がかりに、船舶用エンジンなどを手がける三井E&S(7003)が人気化しました。一方、今期の見通しが市場の期待に届かなかったアドバンテスト(6857)が4.8%となり、半導体株の多くが連れ安しました。今期の減収減益見通しを提示した日東電工(6988)や1Qが減益着地となった三菱鉛筆(7976)が急落しました。
週足でみる信越化学工業の株価推移
図表は、信越化学工業(4063)の2022年5月頃からの週足のローソク足に加え、13週・26週・52週移動平均線です。下位は、売られ過ぎや買われ過ぎなどをみるオシレータ系指標で代表的な相対力指数のRSI(9週ベース)の推移です。
大局的な見方は、2022年9月安値(2,837円)を起点に大きな二段上げ相場となり、2024年3月高値(6,926円)と2024年7月高値(6,874円)とをダブルトップとする天井パターンから下落相場に転じる展開となりました。
ダブルトップを形成した後は少しもみ合いが続きましたが、13週移動平均線が26週移動平均線や52週移動平均線を下回る弱気シグナルが点灯。3本の移動平均線が次第に下向きながら広がり、下降相場の勢いが強くなっていきました。
一方、4月の急落時に形成した中規模の陽線でいったん下げ渋ったようにみえます。陽線の安値3,425円は、2022年9月安値からの上昇相場のスタートを確認した、「トリプルボトム」のネックラインの水準(3,578円)にも相当する水準だからです。
先週の週足ローソク足は、陽線はらみ線の強気シグナルを発したほか、先週の上昇でRSI(9週)は売ら過ぎの水準からボトムアウトしているのが確認できます。
25日に同社が発表した決算発表と自社株買いが好感され、週明け28日は大幅高となりました。株価は材料を先取りするかたちで底値圏シグナルを発していたことになります。
28日の株価は13週移動平均線付近まで上昇しました。相場全体の地合いが極端に改善するなどの追い風があれば、26週移動平均線などまで上値を伸ばす可能性もあります。
一方、13週移動平均線は依然として下落基調で推移しているため、株価の上値抵抗になることが考えられます。再び下値模索の状態に戻る可能性は低くなりましたが、短期的には13週移動平均線を意識しながらのもみ合いが予想されます。
そのうちに、13週移動平均線が上昇に転じ、26週移動平均線を上回るゴールデンクロスが確認できれば、上昇トレンドがスタートする1つのサインが確認できることになります。
当面の上値メドとして考えられるのは、2024年8月安値(5,013円)となります。