週明けは日経平均、TOPIXともに続落
週明け8日の東京株式市場で日経平均、TOPIXともに続落。先週末の米国株は6月雇用統計の結果を好感して上昇しましたが、高値警戒感に加え、ETF(上場投資信託)の分配金捻出売りへの懸念から、特に後場は弱含む展開となりました。
東証プライム市場の売買代金は概算で3兆9,000億円。値上がり銘柄数493に対して、値下がり銘柄数は1098と値下がり優勢の展開となりました。業種別では倉庫・運輸、精密機器、医薬品などが上昇した一方、海運、電気・ガス、鉄鋼などが下落しました。
売買代金上位では、三菱重工業(7011)が全市場の売買代金トップとなるなど注目を集め11日続伸となりました。ソフトバンクG(9984)やファーストリテイリング(9983)がプラスで終了。通期の純利益見通しを大幅に引き上げた三井松島HD(1518)が買いを集めてストップ高まで買い進まれました。
一方、1Qが大幅な営業減益となった安川電機(6506)が4.4%安。米長期金利低下に伴いドル円が円高に振れたことから、トヨタ自動車(7203)やホンダ(7267)など自動車株が全般軟調となりました。ほか、海運株の弱さがも目立ちました。
週足でみるファーストリテイルングの株価推移
図表は、ファーストリテイリング(9983)の2022年12月ごろからの週足のローソク足に加え、13週・26週・52週移動平均線を挿入したチャートです。
2023年の1月安値(23689.7円)を起点に中期の上昇基調(中期上昇トレンド)が続いています。2023年6月の高値(37,550円)でいったん上昇が一服したあとは、13週移動平均線だけではなく、26週移動平均線も下回る調整局面となり、次の上昇基調に入るまでに比較的長い日柄調整が続きました。
一方、今年の1月に形成した週足の長い大陽線で2023年6月以降の上値抵抗線を上方にブレイクし、13週移動平均線から大きくかい離しながら上値を伸ばす展開となりました。
上場来高値となった4月の48,040円からの急落は、当時、上昇基調にあった13週移動平均線で下げ止まらず、26週移動平均線を割り込む展開となりました。
しかし、7月第1週の上昇で形成した週足の陽線で、13週移動平均線と26週移動平均線上を一気に回復しました。さらに、上場来高値からの下落で13週移動平均線を割り込んだ直後の反発で形成した上ヒゲの戻り高値を起点とした抵抗線も上抜けたことが確認できます。
これは、株価が移動平均線を下から上回る買いシグナルと、過去の高値を通る抵抗線を下から上回る買いシグナルが同時に出現したことになります。
8日のプライム市場の売買代金上位が概ね下落する中でも同社株がプラスを保てたのは、このようなテクニカル面の好転が背景にあるのかもしれません。
まだ、13週移動平均線は横ばい気味ですが、今後上昇に変わって26週移動平均線を上回るとさらに買いシグナルが増えることになり、上場来高値に向けて上昇に弾みが続く展開も予想されます。