日経平均は33,000円乗せが視野に
今週(11/13-11/17)の東京株式市場は米主要指数の堅調な流れを受け、週前半から買い優勢の展開が期待できそうです。先週末の米国市場で半導体株指数が4%高と相対的に上げが目立ったほか、東京エレクトロンの上方修正を受けて半導体関連中心に買いが向かう公算が大きい。メガバンクを筆頭に決算発表も多く、決算プレーも旺盛が続く見通し。
11月相場で相対的に上昇が目立つ、電気機器、輸送用機器、機械、精密機器など主力業種への物色が続けば、日経平均株価は週前半にも33,000円超えは可能でしょう。
さて、今週で国内企業の決算発表がほぼ終了しますが、先週の決算発表後に上昇が目立ったのが任天堂(7974)でした。週間の業種別の騰落順位をみると、任天堂が所属する「その他製品」がトップになるほど業種全体への寄与度を高める結果となりました。
そこで、今回はチャート道場の第7回目として、10月2日の第3回目で採り上げた任天堂(7974)について、その後の値動きの検証、今後の見方について簡単に触れてみたいと思います。
任天堂の株価を検証
任天堂の株価推移を週足チャートで確認してみましょう。図表1は、2021年9月頃からの週足のローソク足に加え、13週・26週・52週移動平均線を挿入したチャートです。第3回目の際に利用したチャートの期間とほぼ同じものです。
第3回目で採り上げた10月2日現在は、高値6640円を起点にその後の高値を通る(A)の上値抵抗線と、13週移動平均線を最初に下回った直後の安値を起点とした水平線の(B)の下値支持線との間でもみ合い相場が続いていました。ただ、もみ合い相場はいつまでも続くわけではありません。
結果的には、会社側が11月7日に発表した、24.3期の連結純利益予想の上方修正が好感され、株価は(A)の上値抵抗線を上方にブレイクアウトしました。(B)の下値支持線を下回ると一段安を示唆するサインでしたが、今後の判断としては新しい上昇が始まるサイン、もみ合い相場の前の上昇相場が上値に続く「継続パターン」であると捉えることができそうです。
今回のような結果になるヒントはありました。それは、図表の真ん中に薄青で記した箇所があります。この価格帯の推移は比較的長く、出来高の累積も多いことが推測できます。概ね、(B)の線を左側に水平に伸ばすと、価格帯の上限付近を通ることになることに気づきます。これが今の株価にどのような機能を及ぼすか?ということだったのですが、下値の支持帯になるのであれば上方にブレイクアウトする、という見方でよかったのでしょう。
より長い期間のチャートをみることも重要
任天堂の株価推移をもう少し長いチャートで確認してみましょう。図表2は、2018年9月頃からの週足のローソク足に加え、13週・26週・52週移動平均線を挿入したチャートです。
上述したもみ合い相場は図表2の赤薄で記した部分であり、これだけ長い期間を過去にさかのぼるとかなり小さな動きにみえます。
一方、図表2の大きなポイントは、2021年2月高値6983円を起点にその後の高値を通る(A)の上値抵抗線と、2021年10月安値4789円を起点とした(B)の下値支持線との間で大きなもみ合い相場が形成されており、それも上方にブレイクアウトしたと判断できます。
つまり、今後の相場の判断としては、より大きなスケールで新しい上昇が始まるサイン、もみ合い相場の前の上昇相場が上値に続く「継続パターン」であると捉えることができます。2019年から続いた大きな上昇相場(上昇トレンド)の途中で形成された大きなもみ合い相場を上方にブレイクアウトしたことで、短期的な調整を交えながらも中期的目線での上値余地も大きくなると判断できるかもしれません。