週明けの日経平均は小反落、9日連続の陰線を形成
週明け21日の日経平均は小反落。米国株高を受けてもさえないスタートとなったことで序盤では売りに勢いがつき、一時下げ幅を200円超に広げる場面がありました。一方、38,700円台に突入したところでは鋭角的に切り返し、プラス圏に浮上。後場に入るとプラス圏を保ちながらも伸び悩み、大引けにかけて売りに押され、9日連続陰線で取引を終えました。
東証プライム市場の売買代金は概算で3兆4,100億円。値上がり銘柄数698に対して、値下がり銘柄数888と値下がり優位の展開となりました。業種別では、海運、ゴム製品、精密機器などが上昇した一方、電気・ガス、水産・農林、銀行などが下落しました。
個別物色では、ディスコ(6146)、アドバンテスト(6857)など半導体株の一角が大幅上昇。「楽天モバイル」の契約数が800万回線を突破したと発表した楽天グループ(4755)が買いを集めました。一方、三菱重工業(7011)、IHI(7013)の防衛大手がそろって大幅安。九州電力(9508)や北海道電力(9509)など電力株の多くが軟調に推移しました。
週足でみる楽天Gの株価推移
図表は、楽天グループ(4755)の2020年12月頃からの週足のローソク足に加え、13週・26週・52週移動平均線です。下位は、売られ過ぎや買われ過ぎなどをみるオシレータ系指標で代表的な相対力指数のRSI(9週ベース)の推移です。
大局的な流れとしては、2021年3月高値(1,545円)を起点とした三段下げの下落トレンドが一巡し、2023年6月安値(466円)を起点に戻りを試している局面です。
2023年6月安値をつける直前高値である、2023年5月の戻り高値(749円)を上回ったことで、上昇トレンドに転換したことを確認しました。この上昇トレンドがどこまで続くかが焦点となります。
8月の急落で52週移動平均線を一時的に下回る場面がありましたが、翌週には早くも13週移動平均線上に回復。4月高値(920.5円)もクリアし、上昇トレンドは継続していると判断できます。
一方、直近高値である9月高値(1,069.5円)は、過去の値動きで形成した安値の節目にあたる水準です。それは、2021年8月安値(1,041円)を起点とした抵抗線①です。2021年3月高値からの下落トレンドの下落幅に対して、概ね半値戻し(1,005円処)に近い水準でもあります。
つまり、9月高値が当面の高値になった可能性があります。しかし、足元は13週移動平均線付近で下げ渋っており、反転上昇につながれば上昇トレンド継続の可能性が高まります。
上昇トレンド継続には、9月高値を超えることが条件となり、超えることができれば抵抗線②が次の節目であり、次の上値メドとなります。
一方、13週移動平均線付近から反転できず、同線を下回る展開も想定できます。13週移動平均線を週間の終値で下回ると、26週移動平均線のほか、8月急落直後の安値(649.6円)からの上昇幅に対する半値押しとなる860円程度まで調整が深まる展開が予想されます。