日経平均は一時37,000円台乗せ、個別大型株が活況
先週の日経平均株価は大幅続伸となりました。週間ベースでは739円の上昇となり、週末は一時37,000円台に入る場面もありました。業績を材料にした個別物色の活況も続き、6日には上方修正を発表したトヨタ自動車(7203)が大幅上昇。日本企業で初めて時価総額が50兆円を超えたことが話題となりました。8日はソフトバンクグループ(9984)や大型半導体株が強く買われ、指数上昇をけん引する展開となりました。
日経平均採用銘柄の中で先週に最も上昇したのは、24.3期の連結営業利益予想と期末配当予想を上方修正したフジクラ(5803)でした。次いで、ジーエス・ユアサ コーポレーション(6674)も連結営業利益と期末配当予想の上方修正が好感され、2割超の上昇率となりました。
今週は決算発表の終盤戦となりますが、週明けには東京エレクトロン(8035)の決算を消化するほか、13日は新NISAで個別株人気トップのJT(2914)、14日にはソニーグループ(6758)が決算発表を予定しています。
週足でみるソフトバンクGの株価推移
図表は、ソフトバンクグループ(9984)の2019年12月頃からの週足のローソク足に加え、13週・26週・52週移動平均線を挿入したチャートです。
2021年3月高値10,695円から2022年3月安値4,210円までの下落相場は、2020年3月安値2,609.5円からの上昇幅の大半を帳消しにする調整幅となりました。
一方、2022年3月安値からの上昇局面は上値は限定的ながらも、13週・26週・52週移動平均線を挟んでもみ合い基調が続き、2022年3月安値を切り上げる展開となっていました。
もみ合いの結果で生じた2024年に入ってからの現象面のポイントは、13週・26週・52週移動平均線が同じ水準に収れんしていたことです。収れんする上方で株価が推移していたことで好材料に反応しやすい状況にあったことが考えられます。
先週の好材料となった、同社傘下の英半導体設計会社アーム・ホールディングスの株価上昇や同社の業績上方修正を受け、2022年11月高値7,180円と2023年8月高値7,297円をつないで延長した抵抗線(A)を明確に上抜ける展開となりました。
当面は抵抗線(B)が上値のフシになりえますが、短期的な調整をこなしたあとの上昇で2021年3月高値を上回ることができれば、一段と上値余地が拡大することになるでしょう。2021年3月高値更新によって、2020年3月安値を切り上げる大きな上昇波動を確認することになるからです。