先週末の日経平均は反発
先週末の日経平均は反発となりました。米国株安やドル円の1ドル=150円割れなどを嫌気して3ケタの下落スタートとなりましたが、東京時間では円高が一服したことから下値は限定的となりました。3連休を控えた様子見姿勢もあり上値も限定的でしたが、日足は200日移動平均線上を維持する陽線を形成して終えました。
東証プライム市場の売買代金は概算で4兆3,100億円。値上がり銘柄数556に対して、値下がり銘柄数1031と値下がり優位の展開となりました。業種別では、医薬品、ゴム製品、保険などが上昇した一方、非鉄金属、海運、精密機器などが下落しました。
個別では、ディー・エヌ・エー(2432)の急騰が目立ちました。SUBARU(7270)や三菱自動車(7211)など自動車株の一角が大幅上昇。海外メディアの報道を材料に日産自動車(7201)が値を飛ばしました。一方、三菱重工(7011)、川崎重工(7012)などの防衛大手がそろって下落。日立(6501)、みずほFG(8411)、リクルートHD(6098)、古河電工(5801)などが弱い動きとなりました。
週足でみる日産自動車の株価推移
図表は、日産自動車(7201)の2023年7月頃からの週足のローソク足に加え、13週・26週・52週移動平均線です。下位は、売られ過ぎや買われ過ぎなどをみるオシレータ系指標で代表的な相対力指数のRSI(9週ベース)の推移です。
2023年夏場以降の大きな流れとしては、高値と安値を切り下げる下落トレンドを形成している状況といえます。特に、2024年3月安値(523.8円)を始点とした支持線を下回った後は下げが加速し、同年12月に337.6円まで売られる場面がありました。
一方、ホンダ(7267)との経営統合に向けた協議と伝わったことをきっかけに急騰を演じ、週足ローソク足は2週続けて強い陽線を形成。下落トレンドは2024年12月安値(337.6円)で下げ止まった格好となっています。
ただ、2週続いた強い陽線で年末近くに553.7円まで上昇する場面がありましたが、2023年9月高値(712.5円)を始点に2024年3月高値(651.5円)を通る抵抗線でしっかり上値を抑えられ、13週移動平均線や26週移動平均線付近まで押し戻される展開となりました。
現在は、2月初旬につけた直近安値(380.8円)を起点に、値固めから再びリバウンド局面に入っている可能性があります。
2月初旬の安値(380.8円)は、支持線を下回った直後につけた2024年8月上旬の安値(377.3円)から形成される支持線上で下げ止まったことや、先週の時点で上向き基調で推移する13週移動平均線上を回復しているからです。また、RSIが50%以上の水準を保っていることなどが理由です。
ここから重要なポイントは、直近安値である2月初旬の安値(380.8円)を下回らずに、52週移動平均線や抵抗線を超えていけるかどうかです。
52週移動平均線を超えるだけでは材料不足ですが、抵抗線を週間ベースの終値で上抜けることに加え、年末近くにつけた553.7円の戻り高値を超えることができれば、2024年12月安値(337.6円)を始点とした高値と安値を切り上げる上昇波動を確認することができます。
2024年3月高値(651.5円)や2023年9月高値(712.5円)などの節目を意識しながらの短期的な調整は予想されますが、現在下向きで推移している52週移動平均線などがいずれ上向きに変化してくれば、上昇トレンドにも持続性が伴ってくることが予想されます。
一方、ここから2月初旬の安値(380.8円)を下回るような動きになる場合、2024年12月安値(337.6円)割れも視野に入ることになるでしょう。
2週続いた強い陽線を形成する過程では出来高が急増した経緯があるため、当時の買い方などによる見切り売りが強くなり、下げに拍車がかかる展開が想定されるからです。