日経平均は歴代最大の下げ幅を記録
週明け5日の日経平均の下げ幅は4,451円まで拡大。1987年10月20日の「ブラックマンデー」時を上回り、歴代最大の下げ幅を記録しました。先週からの弱気心理を引きずる中、米7月雇用統計を受けて主要3指数が下落。米10年債利回りが急低下し、為替市場ではドル安・円高が一段と進行したことで、先物主導を通じて下値模索の展開となりました。
東証プライム市場の売買代金は概算で7兆9,600億円。値下がり銘柄数1625に対して、値上がり銘柄数はわずか14となり、全面安の展開となりました。業種別では全業種が下落。特に、保険、銀行、証券・商品先物、非鉄金属、卸売の下げが目立ちました。
米長期金利の大幅低下を受け、三菱UFJ(8306)が17.8%安。三井住友FG(8316)は1Qの大幅増益は好感されずストップ安となりました。保険では、東京海上HD(8766)や第一生命HD(8760)がストップ安。半導体株では東京エレクトロン(8035)、アドバンテスト(6857)、ディスコ(6146)がストップ安となりました。1Qが大幅減益となった任天堂(7974)が16.5%安となり、上方修正や増配を発表して買いが先行したサンリオ(8136)も失速して6.1%安となりました。
一方、神戸物産(3038)が円高に耐性を示して逆行高。上方修正を発表した亀田製菓(2220)が大幅高となりました。
日足でみる日経平均の推移
図表は、日経平均株価の2023年9月頃からの日足のローソク足に加え、25日・75日・200日移動平均線を挿入したチャートです。下方のグラフはオシレータ系指標で代表的な相対力指数といわれるRSI(9日ベース)の推移です。
日経平均は7月11日につけた史上最高値(42,426円)を起点に調整局面に転じ、8月に入ってからは急落に相当する下落幅となっています。今年3月につけた高値(41,087円)からの調整後につけた安値である4月19日の安値(36,733円)を下回り、長期の200日移動平均線もあっさりと下回りました。
連日の日足の長大陰線で今年の上昇を帳消しにしましたが、昨年10月に二番底を形成した水準に迫り、値ごろ感が注目される局面に入ってきたと判断することができそうです。
オシレータ系指標のRSI(9日ベース)はこれだけ株価が下げても、直近安値を下回っていません。これは株価の底入れ時に発生する強気のダイバージェンス(逆行現象)につながる可能性があります。逆行現象とは株価は安値を更新している一方、オシレータ指標は安値を更新しない現象であり、まもなくの株価反転サインとして注目できそうです。
そういった意味でも、RSIは直近高値(赤の点線)を上回る底入れサインとなるかが目先の焦点となります。
一方、売られ過ぎの反動でリバウンドが生じた場合でも、高値から大きく下げたことで、25日移動平均線や75日移動平均線などの短中期の移動平均線が下落し始めていることが確認できます。当面は、短中期の移動平均線の下落基調が続くことが予想され、株価のリバウンド時の上値を抑える節目になりそうです。
急落後にありがちな動きですが、初動のリバウンドが一巡した後は再び直近安値に向けて二番底を試す動きになることは少なくありません。
ですから、もし早々にリバウンド局面に入った場合でも、依然として上昇が続いている長期の200日移動平均線付近までが戻りの限界になりえる、といった想定をしておくことが重要なポイントになります。