先週末の日経平均は大幅続落、週間では上に往ってこい
11月相場入りとなった先週末の日経平均は大幅続落。先週は10月27日に投開票が行われた衆議院選挙の結果を受け、週初から強いスタートとなりました。一方、週央に39,500円近くまで上昇する場面がありましたが、1日は1,000円を超える下落幅となり、週間ベースでは上に往ってこいと引け味の悪さが目立ちました。
東証プライム市場の売買代金は概算で4兆4,900億円。値上がり銘柄数219に対して、値下がり銘柄数1404と値下がり優位の展開となりました。業種別では、プラスはガラス・土石の1業種のみで、金属製品や銀行が小幅な下げにとどまりました。一方、非鉄金属、輸送用機器、電気機器などが大きく下落しました。
個別では、パナソニックHD(6752)や富士電機(6504)が大幅上昇。三菱電機(6503)は14.2%高と急騰しました。TDK(6762)は大幅安スタートとなりましたが、後場に発表した業績の上方修正や増配が好感され、終値ではプラスを確保しました。一方、レーザーテック(6920)やソシオネクスト(6526)が決算を材料に大幅安。ナスダックの大幅安や、傘下の英半導体設計会社アーム株の急落を受けてソフトバンクG(9984)が軟調に推移しました。
週足でみるパナソニックHDの株価推移
今回はチャート道場の第8回目でとりあげたパナソニックホールディングス(6752)のその後の動きを検証し、現状を踏まえた上で今後の予測をしてみます。
図表は、週足のローソク足のチャートです。大局的な見方としては、2006年4月高値(2,870円)からの三段下げの長期下落波動が終了し、2012年安値376円を起点とした上昇波動に変化している可能性が高いとみられます。2015年には1,853.5円まで上昇し、長期下落波動の途中に形成した2010年の戻り高値(1,585円)を上回ったからです。
一方、2017年に1,800円まで上昇するものの、2015年高値(1,853.5円)を上回れず、次の調整で2016年安値(799円)を割り込み、その後の調整を長引かせる要因となりました。しかし、2020年安値(691.7円)を起点とした下値を切り上げる短期上昇波動では、2023年9月に1,808円まで上昇し、2017年高値(1,800円)を上抜くことができました。
現在は、2023年9月高値(1,808円)からの調整局面です。2017年高値を起点とした右下がりの下値支持線(A)から反発する場面がありましたが、再び下値を探る動きとなり、
2020年安値を起点とした右上がりの下値支持線(B)のフシも下回りました。8月の急落時の安値(986.9円)で2022年安値(1006.5円)も下回る場面がありましたが、一時的にとどまり下値支持線(A)と(B)の上方まで急回復しているのが確認できます。
下値支持線上に早期に回復したことで、8月の急落時につけた安値が「ダマシ」に終わる可能性が強くなってきた局面です。当面の方向性は依然として不透明ですが、2021年10月の戻り高値(1,541円)を上回ると、2015年以降の高値の価格帯突破を試す展開につながることが予想されます。
一方、波動分析では、長期も短期も直前の高値を上回る、あるいは直前の安値を下回るという現象が、波動転換や波動継続を認識する重要な判断材料になります。一時的であっても2022年安値(1006.5円)を下回ったことで、2023年9月高値からの調整局面は、現状の短期的な戻りが一巡した後は2020年安値(691.7円)に向けて下値模索が再開する動きなども想定しておくべきでしょう。