週明けの日経平均は反発、後場は上げ幅を広げ高値引け
週明けの日経平均は反発。先週末の米国株高を受けてしっかりのスタートとなり、材料難の中で値動きは限定的でした。一方、後場はじわじわと上げ幅を広げ、日経平均、TOPIXともに高値引けで取引を終えました。
東証プライム市場の売買代金は概算で3兆3,800億円。値上がり銘柄数1072に対して、値下がり銘柄数は521と値上がり優位の展開となりました。業種別では、保険、海運、非鉄金属などが大幅高となった一方、下落は水産・農林と倉庫・運輸の2業種のみでした。
売買代金上位では、ソシオネクスト(6526)が先週末に下げた反動で大幅上昇となり、ルネサスエレクトロニクス(6723)が連日で年初来高値を更新。川崎汽船(9107)を筆頭に海運3社が堅調に推移しました。一方、TOWA(6315)が証券会社による投資判断の引き下げで3%近い下落率となったほか、過年度決算を修正したニデック(6594)が下落しました。
週足でみるルネサスエレクトロニクスの株価推移
図表は、ルネサスエレクトロニクス(6723)の2022年8月頃からの週足のローソク足に加え、13週・26週・52週移動平均線を挿入したチャートです。下方のグラフは、出来高の推移です。
2022年12月安値(1,164円)を起点に強い上昇トレンドが発生したことが確認できます。2023年4月頃までのもみ合いを挟んで、2023年7月には2,899.5円まで上昇しました。
一方、2023年7月高値からの調整では、13週移動平均線に続いて26週移動平均線も下回る大幅調整となりました。52週移動平均線でようやく下げ止まり、上昇再開の流れにつながっています。直前の上昇相場で形成したもみ合い水準の上限付近まで下げたことも、下げ止まった要因として考えられます。
今年4月上旬までは2,700円を超えると戻り待ちの売りに押され、短期的な反落を強いられてきました。しかし、4月後半の安値(2,262円)を起点とした短期上昇局面では、13週移動平均線や26週移動平均線上を回復し、先週の上昇で2023年7月高値と今年4月高値(2,853.5円)をつないで延長した抵抗線(A)を上抜ける、買いシグナルが確認できました。
週明けの27日は、3,000円を突破し一段と騰勢を強める動きとなりました。抵抗線を上方に突破したことで、さらなる上昇期待が高まり、新規の買い方なども参入したとみられます。当面は、短期的な調整を挟みながら、上値志向を強めていく展開が予想されます。
一方、抵抗線(A)を上抜けたものの、すぐさま逆方向に強い動きが生じる「ダマシ」が発生することもあります。4月後半に2,262円まで一時的に下げる動きも一種の「ダマシ」といえます。
今回の買いシグナルの前には出来高の増加が確認できるため、信頼性の高いシグナルになったことが予想されますが、仮に市場全体が大きく崩れる場合などは、その影響は一時的にでも受けることになるでしょう。
しかし、そういった場合でも、支持線(B)などで下げ止まり、再び反転上昇に変化するかを冷静に判断し、これまでの上昇が継続しているかどうかを見極める必要があります。