新年度は大幅安スタート、日経平均は4万円を割り込む
東京株式市場は名実ともに4月相場入りとなりましたが、新年度入りによる機関投資家からのリバランス売りなどから大幅安となりました。日経平均株価は買い先行と幸先の良いスタートとなりましたが、買いが続かずまもなく急失速。心理的節目の4万円を割り込み、25日線まで調整を強いられる展開となりました。
東証プライムの売買代金は概算で4兆6400億円。値上がり銘柄数287に対して、値下がり銘柄数は1,331と値下がり優位の展開となりました。業種別ではゴム製品1業種のみが上昇し、精密機器や食料品が小幅な下落。一方、石油・石炭、証券・商品先物、その他金融などの下げが大きくなりました。
幅広い銘柄が売られる中、ソニーG(6758)が逆行高。中国の経済指標が改善したことを手がかりに、ファナック(6954)や安川電機(6506)といったFA関連などが堅調に推移しました。
週足でみるソニーGの株価推移
図表は、ソニーグループ(6758)の2020年1月頃からの週足のローソク足に加え、13週・26週・52週移動平均線を挿入したチャートです。
2020年の新型コロナショックによる急落後につけた3月安値(5,297円)を起点にして、強い上昇局面が到来しました。上昇相場の天井(高値)となった2022年1月高値(15,725円)からは大幅調整を強いられましたが、上昇相場の上昇幅に対する61.8%(黄金分割比率)押しとなる9,280円に近い、9,213円の安値を2022年10月につけ、現在リバウンド相場が継続しているという認識となります。
このリバウンド相場が2022年1月高値を上回り、2020年3月安値を起点とした大勢二段上げ目に進展するか、それとも2022年1月高値を起点とした大勢二段下げ目に入るのかが波動分析の考え方となります。
二段下げ目に入ったことを確認するためには、2022年10月安値を起点とした上昇トレンドラインを下抜けるだけではなく、2022年10月安値を下回る必要があります。トレンドラインを下回った場合でも、2022年1月高値と2022年10月安値の間で当面は保ち合い相場を形成していく可能性が高いためです。
ただ、二段上げ目に入るか、二段下げ目に入るかの判断には時間を要します。まず先に大切なことは、トレンドラインをサポートに反発し、直近高値である今年1月につけた年初来高値14,915円を上回れるかどうか。逆にトレンドラインを下回った場合に、下値の目安をどこに設定すればよいかということになります。
今年1月の年初来高値を上回った場合は、2022年1月高値までの上昇を視野に入れることができ、さらに上回れば二段上げ目を確認することができます。
一方、トレンドラインを下回った場合は、2022年10月安値から年初来高値までの上昇相場の上昇幅に対する61.8%押し11,390円あたりを下値の目安とし、その時の外部環境をみながら押し目買いが適切かどうかを判断することになります。