日経平均は続伸、TOPIXは昨年来高値を更新
週明け5日の日経平均株価は続伸。TOPIX(東証株価指数)は昨年来高値を更新しました。東証プライムの売買代金は概算で4兆8300億円。値上がり銘柄数1106に対して、値下がり銘柄数499と買い優勢の展開となりました。
個別で目立ったのが総合不動産大手の三井不動産(8801)でした。株主のエリオット・マネジメントが同社に対して約1兆円の自社株買いを要請したと伝わったことが買い材料となり急伸。同業の不動産大手も連れ高となりました。半面、オリエンタルランド(4661)が大幅安。観測報道の中に三井不動産が保有する同社株式の売却要請も含まれていたことが売り材料となりました。
週足でみる三井不動産の株価推移
図表は、三井不動産(8801)の2005年2月頃からの週足のローソク足に加え、13週・26週・52週移動平均線を挿入したチャートです。
長期波動は大きな変動はありますが、下値を切り上げる展開が確認できます。2020年3月安値1,538円は2009年3月安値867円から2012年12月安値1,094円をつないで延長した支持線付近で下げ止まり、比較的短期間で過去の高値圏に浮上する展開となりました。
一方、2007年5月高値4,000円から2015年8月高値3,879円をつないで延長した抵抗線が強い上値のフシとして意識される水準ですが、今年に入ってすでに上回る場面がありました。
今回の報道を通じて抵抗線を明確に上回り、さらに2007年5月高値も同時に上回ったことで、長期波動は新しい水準で上値を試す可能性が高くなりました。
三井不動産の株価は2007年5月高値の時点で、バブル時の1989年12月高値3,390円を上回っていますので、17年ぶりに上場来高値を更新したことになります。
内需の主力業種である不動産セクターの「ゼロイチ」銘柄の上場来高値更新が、日経平均株価のバブル時高値更新の先行サインになった可能性が高いといえそうです。