18日の日経平均は大幅続落、5日連続の陰線を形成
週明けの日経平均は大幅反落。米国株安や円安一服を嫌気して寄り付きから300円を超える下落となり、後場を通じて終日弱含みの展開が続きました。テクニカル面では200日移動平均線を下回り、日足のローソク足は始値よりも終値が安くなる「陰線」形成。先週の11日から5日連続の陰線となり、下値模索が続く格好となりました。
東証プライム市場の売買代金は概算で3兆7,700億円。値上がり銘柄数726に対して、値下がり銘柄数861とやや値下がり優位の展開でした。業種別では、海運、パルプ・紙、鉄鋼などが上昇した一方、医薬品、銀行、機械などが下落しました。
個別では、日本郵船(9101)や商船三井(9104)など海運大手3社が逆行高。鉄道株に強い動きが見られたほか、中期経営計画を公表した良品計画(7453)が年初来高値を更新しました。一方、三菱重工(7011)、川崎重工(7012)などの防衛大手3社がそろって大幅安。トランプ新政権の人事に関するニュースで米薬品株が売られた流れを受け、エーザイ(4523)、アステラス(4503)、塩野義製薬(4507)などの薬品株の下げが目立ちました。
日足でみる日本郵船の株価推移
図表は、日本郵船(9101)の2024年7月25日からの日足のローソク足に加え、5日・25日・75日移動平均線です。下位は、出来高の推移です。
大局的な流れとしては、8月5日安値(3,971円)を起点に、上げ→下げ→上げの二段上げの上昇相場によって、10月3日には5,543円まで上昇しました。10月3日高値(5,543円)から足元までは、高値からの調整局面が続いているという認識となります。
10月3日に高値をつけた翌日には大きなマドを形成し、75日移動平均線まで下落が続きました。75日移動平均線をサポートに反発した局面では、マドの上限まで上昇することができず、再び下値を探る動きにつながる展開となりました。
一方、10月3日高値を始点に10月22日高値(5,338円)を通る下向きのラインを引くことができることや、75日移動平均線付近でつけた10月9日安値(4,840円)を始点に11月6日安値(4,802円)を通る下向きのラインを引くことができます。
上記のラインを前者が抵抗線、後者を支持線とした場合、パターン分析では、やや下向きに傾く「三角保ち合い」を形成していることが予想できます。
三角保ち合いを形成する過程では、5日・25日・75日移動平均線がほぼ同水準に集中してきたことが確認できます。短期・中期・長期の期間の売買コストが同水準になってきたことを意味しており、ここから上放れとなれば上昇トレンド、下放れとなれば下降トレンド入りの可能性を秘める兆候が生じているといえます。
上放れや下放れの判断基準になるのは、株価と抵抗線や支持線との関係をみることがシンプルです。株価が抵抗線を上回れば三角保ち合いを上放れ、株価が支持線を下回れば三角保ち合い下放れとなります。
日本郵船の株価は18日の上昇で抵抗線を上回っており、三角保ち合いを上放れる可能性が高まった局面といえます。さらに、このケースでは直近で出来高の増加を伴って形成した大陰線の高値(5,183円)を上回ることができれば、当時の買い方のすべてが評価損から評価益に変化するため、需給好転によって上値余地が広がるとの判断が可能になります。