週明けの日経平均は大幅反発、自公で過半数割れは織り込み済み
週明け28日の日経平均は大幅反発。27日に投開票が実施された衆議院選挙では自公で過半数割れと政権与党に厳しい結果となり、寄り付きは弱気に反応した。ただ、早々に売りは一巡し、プラスに転じたあとは上げ幅を拡大する展開。後場は800円超上昇して38700円台に乗せる場面もあり、38000円台を回復してほぼ高値圏で取引を終えました。
東証プライム市場の売買代金は概算で3兆8,800億円。値上がり銘柄数1,504に対して、値下がり銘柄数123と値上がり優位の展開となりました。業種別では、輸送用機器、医薬品、海運などが上昇した一方、鉱業、化学、石油・石炭などが下落しました。
個別では、上方修正を発表したファナック(6954)が大幅上昇。円安進行でトヨタ(7203)、ホンダ(7267)、日産自動車(7201)など自動車株の多くが強く買われました。一方、下方修正を発表した東京製鉄(5423)が急落。自民惨敗で石破首相の求心力低下が意識され、三菱重工(7011)、川崎重工(7012)、IHI(7013)の防衛大手3社がそろって逆行安。信越化学(4063)は決算が好感されず大幅安となりました。
週足でみるファナックの株価推移
図表は、ファナック(6954)の2020年1月頃からの週足のローソク足に加え、13週・26週・52週移動平均線です。下位は、売られ過ぎや買われ過ぎ、勢いなどをみるオシレータ系指標で代表的な相対力指数のRSI(14週ベース)の推移です。
大局的な流れとしては、2020年3月につけたコロナショック後の安値(2,404円)からの上昇一服後は高値と安値を切り下げる動きになっています。大きなもみ合いに近い動きにもみえます。
その結果、13週・26週・52週移動平均線が収れんし、株価はその下方で推移しているため、現在は弱気局面といえます。
同社は10月25日、25.3期通期の連結営業利益予想を従来の1430億円から1508億円(前期比6.3%増)に上方修正を発表しました。市場予想を上回ったことが好感され、週明け28日の株価は3%を超える大幅高となりました。
2022年3月安値(3,748円)を起点にその後の安値を通る支持線に近い水準でもあったため、そろそろ反発する材料が必要でした。今回の決算材料をきっかけに13週・26週・52週移動平均線を上回っていけるかが当面の焦点となります。
また、次のステップとして、2022年の場合のように2点底から抵抗線まで上昇(矢印)していけるかがポイントになります。
一方、昨年11月安値(3,603円)からの上昇相場は、今年5月高値(4,748円)までにとどまり、抵抗線まで届きませんでした。抵抗線にも届かない弱い状況になっている可能性が高く、このまま支持線付近から反転上昇とはならずに、支持線を下回っていくシナリオも十分ありえます。これが現時点でのメインシナリオといっても過言ではありません。
支持線を割り込むと、同時にRSI(14週ベース)は底値ゾーンに向けて低下が予想され、コロナショック後の底入れから上昇に弾みがつくきっかけとなったチャート上のマド埋め(3050円)水準まで下落余地が生じるシナリオが浮上します。
以上から、現在は依然として弱気局面にあり、支持線を下回る下目線のシナリオが可能性としては高い局面です。ですが、今回の決算をきっかけに移動平均線を上回り、抵抗線まで持ち直すことができるかが、長期的な視点が上目線に変化してくための重要な動きとなります。