週明けの日経平均は3日続落
週明けの日経平均は3日続落。前週末の米国株高を受けて3ケタの上昇スタートとなりましたが、寄り付きを高値に失速し、マイナス圏に沈む展開となりました。後場は狭いレンジでプラス圏とマイナス圏を行き来し、結局は安値引けとなりました。日足ローソク足は陰線で安値引けとなり、連日で25日移動平均線に上値を抑えられる動きが続きました。
東証プライム市場の売買代金は概算で3兆7,800億円。値上がり銘柄数476に対して、値下がり銘柄数1105と値下がり優位の展開となりました。業種別では、不動産、繊維、非鉄金属などが上昇した一方、銀行、機械、鉄鋼などが下落しました。
個別では、エリオット・インベストメント・マネジメントによる株式取得観測報道が刺激材料となり、住友不動産(8830)が後場急騰。三井不動産(8801)や三菱地所(8802)など他の不動産株にも買いが波及しました。アシックス(7936)やミズノ(8022)などスポーツ関連の一角に資金が向かいました。一方、三菱UFJ(8306)など銀行株が全般軟調。SCREEN(7735)、ディスコ(6146)など半導体株も下落銘柄が目立ちました。「すき家」において異物混入報道に関するコメントを出したゼンショーHD(7550)が5%を超える下落となりました。
週足でみる三菱地所の株価推移
図表は、三菱地所(8802)の2022年5月頃からの週足のローソク足に加え、13週・26週・52週移動平均線です。下位は、売られ過ぎや買われ過ぎなどをみるオシレータ系指標で代表的な相対力指数のRSI(9週ベース)の推移です。
大局的な動きとしては、2023年3月安値(1,539円)からの上昇相場が昨年4月高値(3,082円)で一巡し、その後は比較的大きな調整下落相場が生じました。
一方、昨年8月の急落後の安値(2,042.5円)は、2022年6月高値(2,043円)や2023年9月高値(2,110円)などを意識して形成した可能性が高いとみられます。昨年12月安値(2,054円)は直前安値となった昨年8月安値を下回りませんでした。
そんな状態を維持しながら、13週移動平均線や26週移動平均線を意識してもみ合いが続きました。もみ合いが煮詰まった後、先週はもみ合いを上放れる陽線を形成し、52週移動平均線を一時上回る場面がありました。
しかし、52週移動平均線は依然として下向きで推移していたこともあり、週間の終値ベースでは同線よりも下方に押し戻される展開となりました。
ただ、先週の陽線で1月の戻り高値(2,308円)を上回ったことで、昨年12月安値を起点とした波動は下値を切り上げる上昇波動に変化したことになります。
週明けは一段高となり、24日現在で再び52週移動平均線を上回りました。下向きの52週移動平均線を上回るにはかなり力強い買いが必要になりますが、週間の終値で上回ることができるかがまずは焦点となります。
週間の終値で52週移動平均線を上回ることができない展開も十分考えられますが、下値を切り上げる波動を確認したことで、当面は戻りを試す展開とみられます。
考えられる戻りの目安は、昨年4月高値から昨年8月安値までの下落に対する半値戻しの2,560円どころや、下落に対する61.8%戻しの2,685円どころなどが考えられます。