日経平均は不安定な相場展開が続く
先週末9日の日経平均は反発。前日比の上昇幅は193円にとどまりましたが、日中の変動幅は8日連続で1,000円を超える不安定な相場展開が続いています。9日は、米国株高を好感して400円超上昇して始まり、開始直後には上げ幅を800円超に広げる場面がありました。後場は三連休を控えたポジション調整の売りなどから一時マイナスになる場面もありましたが、35,000円台を回復して終えています。
東証プライム市場の売買代金は概算で6兆3,300億円。値下がり銘柄数1225に対して、値上がり銘柄数は392となり、値上がり優位の展開となりました。業種別では、非鉄金属、その他金融、サービスなどが上昇した一方、電気・ガス、空運、ゴム製品などが下落しました。
個別では、傘下アーム株の急伸を手がかりにソフトバンクG(9984)が4.9%高。1Q決算が好感されたリクルートHD(6098)が大幅高となりました。上期が大幅な増益となったほか、身売りを検討しているとの観測が報じられたトレンドマイクロ(4704)がストップ高比例配分となりました。宮崎県沖での地震を受け、復興需要期待から建設株が急伸。決算も好感された大成建設が7%を超える上昇となりました。
一方、大規模地震で原発に対する風当たりが強まることへの警戒から、電力株が軒並み安。前日ストップ高のレーザーテック(6920)は大幅高スタートとなったものの、買いが続かず下落で終えました。前日ストップ安で終えた資生堂(4911)は売りが止まらず、12.1%安と大きく値を崩す展開となりました。
週足でみるリクルートHDの株価推移
図表は、リクルートホールディングス(6098)の2020年の年初からの週足のローソク足に加え、13週・26週・52週移動平均線を挿入したチャートです。
2021年11月高値(8,180円)を起点に長い下降相場が続きましたが、2023年3月安値(3,284円)時に形成した週足の「長い下ヒゲを伴った十字足」で底打ちし、戻り歩調を強めました。
その結果、13週移動平均線が26週移動平均線や52週移動平均線を下から上回るゴールデンクロスの買いシグナルが発生し、今年7月高値(9,550円)まで下値を切り上げる展開が続きました。
今回の相場全体の急落に影響を受け、6,807円まで調整する場面がありましたが、その後の切り返しの強さが目立ちます。
結局、先週の週足ローソク足は「長大陽線」を形成し、前週比では反発で終え、依然として上昇が続く13週移動平均線付近まで回復しました。
今週にでも13週移動平均線を明確に上回れば、7月につけた上場来高値(9,550円)更新が視野に入ります。
高値更新後に考えられる上値めどとしては、2020年4月安値(2,240.5円)から2021年11月高値までの上昇幅を2023年3月安値からの上昇で当てはめたN計算値の9,220円処となります。しかし、すでに達成しているため、次は2021年11月高値から2023年3月安値までの下落幅を2倍にして、2023年3月安値から足したV計算値13,000円付近が考えられます。
一方、2023年以降の上昇波動の中で考えられる上値めどとしては、今年7月高値から直近安値までの下落幅を2倍にして、直近安値から足したV計算値12,300円付近が考えられます。
つまり、中長期的な上値めどで重要な水準は12,300~13,000円となります。