週明けの日経平均は4日続落
週明けの日経平均は4日続落となりました。先週末の米国株高は好感できず、3ケタの下落スタート。安く始まった後も低空飛行が続き、後場は37,500円より下で推移する時間が続きました。前引けで上昇していたTOPIXも下落。グロース250指数は上昇して終えました。
東証プライム市場の売買代金は概算で3兆8,200億円。値上がり銘柄数826に対して、値下がりは750銘柄と、やや値上がり優位の展開でした。業種別では、医薬品、空運、水産・農林などが上昇した一方、海運、石油・石炭、保険などが下落しました。
個別では、主力抗がん剤の「エンハーツ」を改良すると報じられた第一三共(4568)が急伸。円高進行が警戒される中でも、トヨタ自動車(7203)、日産自動車(7201)など自動車株が軒並み高。フジ・メディアHD(4676)は決算を受けて売りが先行したものの、早々に切り返して7.2%高となりました。一方、半導体株が弱く、レーザーテック(6920)やアドバンテスト(6857)が大幅安。指数寄与度の大きいファーストリテイリング(9983)やソフトバンクG(9984)が弱く、商船三井(9104)など海運株が軟調に推移しました。
週足でみる第一三共の株価推移
図表は、第一三共(4568)の2021年5月頃からの週足のローソク足に加え、13週・26週・52週移動平均線です。下位は、売られ過ぎや買われ過ぎなどをみるオシレータ系指標で代表的な相対力指数のRSI(9週ベース)の推移です。
大局的な見方は、2021年8月安値(1,981円)からみると、三段上げのダイナミックな相場展開が確認できます。2024年8月につけた上場来高値(6,257円)からの調整相場では、13週移動平均線が26週移動平均線や52週移動平均線を下回るデッドクロスとなり、トレンドラインを下回る弱気相場入り。下落基調が続く13週移動平均線に上値を抑えられながら、高値と安値を次第に切り下げる展開となっています。
一方、4月急落時の安値(3,060円)を起点とした反発局面では、13週移動平均線を終値で上回るなど底打ちの兆候も出てきたといえます。三段上げの起点となったダブルボトム完成を確認した当時のネックライン(支持線)の2021年9月高値(3,170円)付近や、ネックライン突破直後に生じた揺り戻しの安値(3,013円)付近を意識して下げ止まった可能性が高いという判断ができるからです。
そして、19日付の日本経済新聞朝刊で、同社が主力抗がん剤「エンハーツ」を改良すると報じられたことが好感され、19日の株価は7%を超える上昇となりました。これによって、いったん下回っていた13週移動平均線を再び上回る展開となりました。
13週移動平均線の傾きも下落から上昇に転じる可能性が高く、このまま週の取引を終えることが重要です。
さらに重要なのは、3月高値と5月初旬高値をつないで延長した短期抵抗線を超えることができれば底値圏を示唆するパターン(トリプルボトム)が完成し、底打ち確認から本格反発局面入りが期待できそうです。
RSI(9週)は0%~100%の範囲の中心である50%水準に位置しており、依然として過熱感はありません。当面は、株価上昇とともに70%以上の過熱ゾーンに向けて上昇していく展開が予想されます。
当面の上値目標としては、上場来高値から直近安値までの下落幅に対する38.2%戻しの4,260円、50%戻し(半値戻し)の4,640円、61.8%戻しの5020円などが予想できます。