日経平均は9日ぶりの上昇
週明け29日の日経平均は9日ぶりの上昇。米国株の大幅高を受けて寄り付きから400円を超える上昇となり、幅広い銘柄に買いが入る展開となりました。終値ベースでは5日移動平均線(38550円 7/29)を超えることはできませんでしたが、日足のローソク足は6日ぶりに陽線で終えました。
東証プライム市場の売買代金は概算で3兆9,600億円。値上がり銘柄数1571に対して、値下がり銘柄数は63と値上がり優位の展開となりました。業種別では全業種がプラスとなり、特に保険、化学、非鉄金属、不動産、証券・商品先物、ガラス・土石製品が大幅高となりました。
個別の材料で動いた銘柄では、東京製鉄(5423)がストップ高と、業績関連で好材料のあった銘柄に資金が殺到しました。また、証券会社のリポートを手がかりに、東京海上ホールディングス(8766)や第一生命ホールディングス(8750)など保険株が大幅に上昇しました。
一方、SCREENホールディングス(7735)は上方修正や増配を発表して買いが先行したものの7%を超える下落。アルツハイマー治療薬「レカネマブ」に関するネガティブなリリースを材料にエーザイ(4523)が13.0%安となったほか、1Q減益着地の日立建機(6305)が急落する展開となりました。
日足で見る日立建機の株価推移
図表は、日立建機(6305)の2023年10月ごろからの日足のローソク足に加え、25日・75日・200日移動平均線を挿入したチャートです。下方のグラフは、売られ過ぎや買われ過ぎなどを判断するオシレータ系指標のスローストキャスティクスです。
2023年12月安値(3,499円)を起点とした上昇相場は、200日移動平均線を上回り、25日移動平均線をサポートに今年4月には年初来高値(4,900円)まで上昇しました。
一方、今年4月の年初来高値は2023年9月につけた高値(4,927円)を上回ることができず、調整局面入りとなりました。200日移動平均線を下回る動きとなりましたが、6月中旬に形成した「はらみ足」で底打ちし、7月17日の戻り高値(4,805円)まで持ち直す動きとなりました。
7月17日の戻り高値からは米国市場での景気敏感株の下げや決算への警戒などから、短期間で急落する展開となりました。そういった状況の中、今回の決算発表に対するネガティブな見方からさらにダメ押しを強いられています。
2023年10月安値(3,684円)や2023年12月安値(3,499円)付近まで下げたことで、スローストキャスティクスは底値圏まで低下しており、目先的には自律反発が見込めそうです。
自律反発時の上値のメドとしては、200日移動平均線や25日移動平均線などが考えられます。ただ、今回の急落で直近高値である6月安値(3,994円)を下回ったため、短期的なリバウンドは見込めるものの上値は限定的で、当面は200日移動平均線を挟んだ保ち合い相場(日柄調整)が続くことが予想されます。