10月は「二日新甫」の荒れ相場でスタート
週明けの東京株式市場で日経平均は3日続落。一時は500円を超える上げ幅となる場面がありましたが、終わってみればマイナス圏で安値引け。相変わらず不安定な値動きが続いています。月替わりで幸先の良いスタートを期待しましたが、相場格言でいわれる「二日新甫」の荒れ相場となってしまいました。
一方、売買代金上位は高安まちまち。半導体関連は堅調でしたが、個人投資家の中では人気が高い、ソフトバンクグループ(9984)や任天堂(7974)の下げが目立ちました。特に任天堂は終値で9月の安値を下回ってしまい、最近では相対的な弱さが気になります。
そこで今回はチャート道場の第3回目として、任天堂の株価推移を採り上げてみました。
週足でみる任天堂の株価推移
任天堂の株価推移を週足チャートで確認してみましょう。図表は、2021年9月頃からの週足のローソク足に加え、13週・26週・52週移動平均線を挿入したチャートです。
ご覧いただきますと、今年の4月前半に13週移動平均線を下から上回り、ほぼ一本調子の上昇相場が続きました。しかし、6月29日に6640円の年初来高値をつけてからは調整局面が続いています。過去につけた高値2022年3月の6708円を前にした調整で、相場ではよくある動きといえそうです。
さて、今後の展開を探ってみましょう。現在は、13週移動平均線を下回る展開となっていますが、26週移動平均線が近づいており、まずはこの26週移動平均線がサポートとして機能するかがポイントになります。概ね、直近安値と同等レベルであり、重要な下値のフシと判断できます。そこで下げ止まれば、底堅い、ということになります。下げ止まることができずに割り込むと、52週移動平均線まで下落余地が生じる可能性が高まることになります。
一方、パターン分析からは、高値6640円を起点にその後の高値を通る(A)の上値抵抗線と、13週移動平均線を最初に下回った直後の安値を起点とした水平線の(B)の下値支持線との間で、もみ合い相場が考えられます。しかし、いつまでも続くわけではありません。いずれは、かつてのような上昇相場が再開するのか、逆に直近高値からの下落が一段と強まるのか、そのどちらかになるでしょう。
その判断は、(A)の上値抵抗線を上回ると新しい上昇が始まるサイン、(B)の下値支持線を下回ると一段安を示唆するサインとなります。これは、パターン分析の中で、もみ合い相場が「継続パターン」なのか、「反転パターン」なのかを判断する重要な材料となります。
どちらになるかは分かりませんが、この場合はヒントも見出せます。それは、図表の真ん中に薄青で記した箇所があります。この価格帯の推移は比較的長く、出来高の累積も多いことでしょう。概ね、(B)の線を左側に水平に伸ばすと、価格帯の上限付近を通ることになることに気づきます。これが今の株価にどのような機能を及ぼすか?
その結果が出るのは少し時間がかかるため、その時に改めてどのような結果になったか、検証してみましょう。
以上、任天堂の現在の株価は下値の正念場にきているということがいえそうです。(A)を上抜けるには、26週移動平均線や(B)を下回らず、速やかに反転上昇へ株価の変化がみられるかが重要なのです。