5月23日から25日にかけて、イタリアで主要7か国(G7)財務相・中央銀行総裁会議
が行われました。
日本からも鈴木財務相、植田日銀総裁、神田財務官などが出席しました。
日々の仕事に忙殺されている方も多いことで、G7でどのようなことが話し合われたかの
詳細を調べるのも大変かと思います。
しかしながら、日本で報じられていることだけを聞いて、それだけを信じてFXをやるのも
危険性が孕んでいます。
コミュニケに何が書いてあるか?
国際会議が行われると、終了後に通常はコミュニケが発表されます。
最近のG20などは、合意が何もできずにコミュニケ無しということも稀にあります。
コミュニケ(Communique)とは
「国家の意思表示、あるいは公式な会議の場でその経過を発表する声明書。
共同声明と訳されることもある」となっています。
ここに書いてあることは国家間で合意に達しましたよ!ということです。
このコミュニケはネットで、すぐに読むことが出来ます。
英語になっているものが主ですが、これも簡単に翻訳ソフトに落とせば日本語訳で読めます。
(写真はG7が行われたイタリア・ストレーザ)
では、今回のコミュニケはどんなものだったでしょうか?
・世界の見通しと動向
・ウクライナへの支援
・金融セクター問題
・人工知能
・健康と金融
・グリーン・トランジション
・国際税務協力
・多国間開発銀行と低所得国支援
・アフリカを中心とした開発イニシアティブ
(アフリカのワクチン製造アクセラレーター)
・弾力的で包括的なサプライチェーン強化パートナーシップ
・アフリカにおけるグリーン・インフラストラクチャーのための同盟
・幸福フォーラム(今年11月に行われるフォーラムについて)
以上12分野で47件のコミュニケが公表されています。
為替について・・・本邦要人の発言は?マークがつく
コミュニケの議題を見てわかった方も多くいると思いますが、多岐にわたる議題の中で
為替については全くコミュニケには反映されていません。
それにも関わらず、G7後に鈴木財務相は「為替に関するコミットを再確認した」などと発言しています。
しかも、今回のG7前から介入に対しては数回にわたって、介入は稀であるべきと批判をしていた
イエレン米財務長官との2者会談が行われなかったのにも関わらずです。
4月末に160円に乗せ、為替介入が行われたことでいったんは上値が抑えられています。
しかしながら、ドル高・円安基調は変わっていないのが現状です。
ここからドル円が更に上がるかは定かではありません。
しかしながら、コミュニケを読んでいる限りでは、為替相場は全く日本以外の6カ国は
話題にもしなかったようです。
気を付けなければいけないのは、ドルを買わなくてはいけない、円を売らなくてはいけない
という状況にある人は、本邦の要人発言では真意が分からないことです。
コミュニケを読んでいれば、他国の考えがある程度わかりますし、何を話したかが分かると同時に
何が話し合われなかったかも理解できます。
都合の良いことを強調して発言する当局者の話だけを信じて取引をするのではなく、
何を話し合わなかったのかを理解しないで取引をやってはいけないと思います。