株主優待は、配当金に加えて「お得な特典」を受け取れるのが魅力です。10月に決算を迎える「HIS」と「巴工業」は、どちらも株主優待の内容が特に人気の銘柄となっています。今回は、この2銘柄について、株主優待の内容や使い方、相当金額について詳しくご紹介します。
エイチ・アイ・エス(9603)
エイチ・アイ・エス(以下、HIS)は、海外・国内のパッケージツアーを中心とした旅行プランを提供する大手旅行会社です。特にアジアや欧米へのプランが豊富で、格安航空券のパイオニアとしても知られています。現在は、ホテル運営や交通インフラの運営も行っています。
HISの株価
2025年9月時点の株価は約1500円です。2019年に約4400円だった株価は、2020年には新型コロナウイルスの影響で約1200円まで下落しました。2021年に約2900円まで回復するものの、円安の影響もあり、2022年以降はゆるやかな下落基調が続いています。
株主優待は旅行商品券と入園割引券
HISの株主優待は、毎年4月末と10月末の権利確定日に、100株以上の株式を保有する株主に対して、株式の保有数に応じて贈呈されます。贈呈される株主優待は、「HIS優待券」と「ラグーナテンボス入園割引券」です。
4月末の権利確定日に贈呈される株主優待は7月上旬頃に、10月末の権利確定日に贈呈される株主優待は1月下旬頃にそれぞれ届きます。株式の保有数に応じて贈呈される株主優待の内容は、下記の一覧表をご確認ください。
株主優待の使い方
「HIS優待券」は、オンラインと店舗どちらでも利用可能です。ただし、出発前に商品券を提出する必要があります。
オンラインの場合は、HIS公式予約サイトもしくは海外格安航空券予約サイト「サプライズ!」でのみ利用可能です。商品を予約する際に、「株主優待券を利用する」にチェックを入れ、優待券番号を入力すると利用できます。
国内航空券やレンタカーなど、一部優待券が利用できない商品もあります。また、他の割引券とは併用できないため、注意が必要です。
HISの配当
2025年度の配当金は、4月末の中間配当で10円、10月末の期末配当で10円の、年間1株当たり20円となる予想です。2020年度から2024年度まで4期連続で無配当が続いていましたが、今期は久しぶりに配当が復活しています。
HISの利回り
1株1500円で100株購入した場合、投資金額は15万円です。配当金は2000円のため、配当利回りは約1.3%になります。また、株主優待として年間で約4000円相当の「HIS優待券」が贈呈されるため、配当と優待を合わせた利回りは約1.9%です。
株式の保有数に応じた配当と優待を合わせた利回りの一覧は、下記の表をご参考ください。
巴工業(6309)
巴工業は、国内トップの売上を誇る遠心分離機器メーカーです。遠心分離機を中心とした関連機器を製造・販売する「機械事業」と、合成樹脂や電子材料、加工品の輸出入・販売を行う「化学品事業」の2つの事業を展開しています。
巴工業の株価
2025年9月時点の株価は約1700円です。2023年に約800円前後だった株価が、急上昇して約1400円となり、その後も上昇を続け、2024年には約1700円となりました。2025年2月にかけて約1200円まで下落するものの、その後再び右肩上がりの傾向が続いています。
株主優待のワインの相当価格は?
巴工業の株主優待は、毎年10月末の権利確定日に、200株以上の株式を1年以上継続して保有する株主に対して、株式の保有数に応じて贈呈されます。贈呈される株主優待は、巴工業が輸出入している「ワイン」です。
ワインの相当金額は、約5000円前後だと推測され、毎年12月下旬頃に贈呈されます。株式の保有数に応じて贈呈される株主優待の内容は、下記の一覧表をご確認ください。
巴工業の配当
2025年度の配当金は、4月末の中間配当で24.33円、10月末の期末配当で26円の、年間1株当たり50.33円となる予想です。2019年度の15.66円、2020年度の16円、2021年度の16.66円、2022年度の17.66円、2023年度の36.66円、2024年度の48.33円から、6期連続で増配しています。
巴工業の利回り
1株1700円で200株購入した場合、投資金額は34万円です。配当金は10066円のため、配当利回りは約3.0%になります。また、1年以上継続して保有すると、株主優待として年間で約5000円相当のワインが贈呈されるため、配当と優待を合わせた利回りは約4.4%です。
株式の保有数に応じた配当と優待を合わせた利回りの一覧は、下記の表をご参考ください。
まとめ
HISと巴工業の株主優待についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
HISの株主優待は旅行好きに、巴工業の株主優待はお酒好きにとって、それぞれ魅力的な内容です。10月の決算を目前に控える今、目的に応じて投資先を選んでみてはいかがでしょうか?