ジェンダー係数で最下位に近い日本で女性首相誕生へ
10月4日、自民党の総裁選が行われ、小泉進次郎氏が優位とされる中で高市早苗氏が勝利を収めました。
これで自民党にとっては初めての女性総裁で、今後初めての女性首相に指名される可能性が高まっています。
なお、日本のジェンダー指数は148カ国中118位、政治分野では125位のように政治分野では最下位が視野に入るほどの低さです。
(ジェンダー指数とは政治・経済・教育・健康の4部門について、男女の間にどれだけの格差が存在しているかを分析し、順位をつけます)
2016年の大統領選でトランプ氏に敗北した、ヒラリー・クリントン氏は敗戦時のスピーチで、大統領職を女性にとっての「もっとも高く、もっとも打ち破りがたいガラスの天井」と形容しました。
大統領と総理大臣と別とはいえ、ジェンダー指数でG7国の中で圧倒的に低い日本が、米国よりも先にガラスの天井を打ち破ることになります。
高市トレードで株高・円安進行
自民党総裁選が行われた4日が土曜日だったこともあり、6日月曜日の早朝から市場は総裁選の結果を受けて大相場になりました。
高市氏は財政積極派、日銀利上げ反対派とされていることで株高・円安が大幅に進行しました。
日経平均株価は2175円高で引け、一時48000円台まで急騰しました。
ドル円は前週末は147.47円だったものが、いきなり149円台に乗せました。
その後も株高・円安基調が続いているのはご存じのとおりです。
では、この高市トレードはいつまで続くのでしょうか?
高市トレードはいつまで続くのか?麻生兄弟の意向は?
大きな政治的なサプライズとなったことで、市場の中では「160円まで円安が進む」と話している人たちもいます。
たしかに、政治の節目では為替市場も大きなトレンドが継続することが多々あります。
物価高対策で財政拡大となれば、ここ最近の流れは円売りは必至です。
ただ、逆の動きも要警戒となるでしょう。
たとえば、このまま円安が進んだ場合の輸入物価上昇や、金融引き締めに反対した場合は物価高対策と逆行するリスクがあります。
さらに政治的な動向も気になるところです。
特に今回の自民党総裁選で麻生派に多大な借りを作っていることです。
そして副総裁に麻生氏が就任、幹事長には麻生氏の義弟の鈴木氏が就任したことです。
高市政権のNo.2とNo.3が麻生・鈴木兄弟が就いたのです。
ご存じのように2012年12月から2021年10月まで麻生氏が財務相、同10月から2024年10月まで鈴木氏が財務相、なんと12年弱にわたり麻生・鈴木兄弟が財務相となっている異常事態でした。
これほど財務省の意向を組む二人が高市政権のキーパーソンとなっている中で、高市氏が積極的財政をどの程度まで行えるかが注目されます。
石破首相のような豹変はあるのか?
石破氏は、これまで自民党の中で非主流派と思われていました。
それが要因の一つとなり、首相になかなかなれなかったとも言われています。
ただ、この石破首相ですら、権力を手中に収めると豹変するものです。
第116回「ダブル石破ショック・・・今月は政治に翻弄されることを知らないでやってはいけない」
に記載していますが、石破首相は首相就任前後で豹変し、大きなショックを与えています。
同記事から抜粋して書きますが、「これまでは、国会論戦を通じて有権者に判断材料を示してから衆院を解散する考え」と示していたものを、急遽解散総選挙の日程を発表。
更に金融市場により衝撃を与えたのは、首相就任前は日銀の利上げに賛成していたにもかかわらず、その後の経済指標に変化がない(むしろ僅かにインフレは高進していた)のにもかかわらず、植田和男日銀総裁との会談後、「個人的には現在、追加の利上げをするような環境にあるとは考えていない」「これから先も緩和基調を維持しながら経済が持続的に発展することを期待している」と述べました。
このように、これまでは一政治家として自分のモットーだけを強く言えた政治家が、恩恵を受けた派閥への借りができたり、更には国際的な立場で、首相になった後は急変するりすくもあります。
高市自民党総裁が石破氏のように豹変するのかは分かりません。
ただ、現時点では公明党との連携などを含め、首相指名となるる臨時国会召集が当初の15日の調整から20日以後になるようです。
高市政権の具体的な経済政策が判明されない場合は、むしろ期待感だけが継続し「高市トレード」が反転するのが難しいかもしれません。
「高市トレード」の期待感が続く限りは、基本的に株高・円安基調が続くでしょうが、高市氏が首相となった場合は、麻生・鈴木兄弟などの動向も注目され、高市トレードが急速に変わるリスクも頭の片隅にいれて取引をしないといけないでしょう。