特定の銘柄の値動きを追いかけてみる「あの銘柄を買ってみた!」
今回は三井不動産を取り上げます。証券コードは8801で、プライム市場に上場しています
1Q業績は同期間の過去最高を更新
三井不動産はオフィス賃貸や不動産分譲など不動産関連の事業を手広く展開しています。
足元の業績は好調で、26.3期1Q(4-6月)の純利益は前年同期比91%増の1242億円と大幅な増益となりました。売上高、営業利益、経常利益、純利益のすべてで、この期間の過去最高を更新しています。今1Qでは分譲セグメント(マンション販売など)が大きく伸長しました。
株価は8月に年初来高値を更新
株価は1Q決算が好感されて8月6日に大きく水準を切り上げており、その後も買いが続きました。8月20日には1655.5円まで上昇しており、この時点での年初来高値を更新しています。
8月後半以降は利益確定売りに押されていますが、それでも高い位置をキープしています。
セクターを取り巻く環境は良好
不動産セクターを取り巻く環境は良好と言えます。業績に関しては、オフィスではリモートから出社への回帰に伴い、賃料上昇に対する期待が高い状況が続いています。マンション販売も好立地の物件に対する需要は依然として強いです。
また、米国ではトランプ大統領が利下げを強く望んでおり、9月のFOMCでは利下げが再開されるとの見方が強まっています。不動産株は金利低下局面で恩恵を受けるとみられています。
日本では日銀の次の一手は利下げではなく利上げとみられていますが、利上げのペースはここまで緩やかとなっています。
FOMCや日銀会合は株価にどう影響するか?
三井不動産の9月3日の終値は1573.5円でした。100株単位で最低購入代金は15万7350円となります。今回はこのタイミングで購入したと仮定して、1カ月後、10月3日(金)の株価と見比べます。手数料・税金等は考慮しません。
この1か月の間に9月のFOMC(9月16~17日)や日銀金融政策決定会合(9月18~19日)を消化しますので、長期金利の影響を受けやすい不動産株は振れ幅が大きくなる可能性があります。FOMCで利下げが再開され、日銀金融政策決定会合で利上げが見送りとなれば、不動産セクターにはプラスの影響が期待できそうです。
会社の26.3期の1株当たり当期純利益予想は2025年8月5日時点で93.78円となっています。9月3日の終値1573.5円で計算したPER(株価収益率)は16.8倍で、さほど過熱感はありません。
FOMCや日銀会合が追い風となってさらに上を試しにいくのか、それとも上昇一服感が出てきてしまうのか、中央銀行イベントや日米の長期金利の動向にも注意を払いながら、この先の値動きをイメージしてみてください。