「イチオシ」内ではテクニカル分析を始めとしたトレードのアイディアを主に書いていますが、本コラムではその中で書けなかったことや、その後の振り返りなどに触れてゆきます。たまには番外編もあります。
さて、今回はドル円です。
ちょうど、5日に8月米雇用統計が発表されました。
特に雇用統計のような市場の関心が高いイベントの場合、時としてチャートを捻じ曲げて動くケースがあります。
そこで、今回はファンダメンタルズに軸足を置いて挑んでみました。
皆様の参考になれば幸いです。
どのみち売り!?
早速ですが、4日の取引終了後にこう書きました。
今日の8月米雇用統計、弱ければ9月米利下げ観測が一段と高まりドル売りを予想するが、今週のドル円を見る限り余程弱い結果でなければ売り一巡後の買い戻しに気を付けたい。今回は、強い場合は即切りする覚悟で、発表10分前に少量売りで挑みたい。よくわからない場合は様子見も一案。
材料としては、9月米連邦公開市場委員会(FOMC)では利下げが既定路線となっていた点です。
市場の関心は利下げ幅に集まっていました。
弱い指標が相次げば0.50%といった大幅利下げ観測が高まることが予想される反面、予想より強い指標が発表されたとしても0.25%利下げは残って金利据え置き観測には至らないとの見立てがありました。
そのため、弱ければ素直に売り、強い結果でも利下げ観測自体を後退させるほどでなければ戻り売りをしようかと考えました。
ただ、文字数の都合などもあり、今回は発表10分前に少量売ることにしました。
また、文中に買い戻しに注意と書いたのは、その週はドル売り材料が出ても売り一巡後は買い戻される流れが続いていたため、ドル売りの勢いが途中でストップするかもしれないという懸念があったからです。
そのこともあり、越週せずに決済しようと思いました。
ポジションを持つことは、リスクを取るということ
そうして挑んだ米雇用統計ですが、今回は思惑通り弱い結果を受けて下落しました。
その後、無理せずにその日のうちに利益確定しました。
その時、こう書きました。
ドル円、悪い雇用統計を想定して発表10分前に148.01円で少量売り。弱い結果を受けてドル売りに傾く中、147.18円で買い戻して利益確定。週明けは本邦政局ネタでの円安を警戒して持ち越さない方針。米利下げが意識される局面になったらドル円は売り直したい。
文内にもありますが、今回は越週せずにポジションをクローズすることにしました。
週明け8日には「総裁選前倒しを求める議員の署名提出」が控えており、本邦政局ネタが意識されるようならば円売り材料視されることが予想されたためです。
もっとも、7日に石破首相が退陣を表明したことで、週明けには円売りが進みました。
予想外の結果に驚きましたが、ポジション操作は誤ってなかったのでほっとしました。
ちょうど、チャートの右側、窓を開けて寄り付くと上値を伸ばしています。
未来はわからないものです。
当たり前の話ですが、ポジションを持っていること自体がリスクをとっていることであることを、改めて実感した次第です。
※Trading Viewより
現在保有ポジション(執筆時点)
なし