12月相場の特徴
為替市場だけではなく、多くの金融市場では月によって特徴がある動きになります。
例えば1月は市場参加者の動きが慎重になり、3月末は本邦の決算を控えて売買が交錯したりします。
12月も特徴的でクリスマス休場を前にディーラーの多くが休暇を取り市場参加者が減少します。
また、日本の金融機関以外では12月末に決算を控えているところも多く、収益を振らしたくないことで取引が制限的になることもあります。
他にも、1年通して儲かることができなかった為替ディーラーは12月頃には肩たたきをされていることもあります。
第75回「今年は今週でおしまい?・・・最後の2週間はやってはいけないこと」
に記載しましたが、12月は中旬までで相場が落ち着くことがあります。
しかしながら、今年に限っては12月中旬過ぎも相場が大きく動く可能性があることに警戒したいところです。
今年の最後の中銀スケジュール
12月に日米の中央銀行が年内最後の金融政策決定会合を開くことは毎年同じです。
日米以外にも欧州中央銀行(ECB)や英中銀イングランド銀行(BOE)も同様です。
これはサプライズではありませんが、各中央銀行の今年の最後の政策決定会合の結果発表日は下記のようになっています。
オーストラリア(豪準備銀行=RBA)・・・9日
カナダ(カナダ銀行=BOC)・・・10日
米国(米連邦公開市場委員会=FOMC)・・・10日
トルコ(トルコ中銀=TCMB)・・・11日
スイス(スイス国立中銀=SNB)・・・11日
欧州(欧州中央銀行=ECB)・・・18日
英国(イングランド銀行=BOE)・・・18日
日本(日本銀行=BOJ)・・・19日
なお、ニュージーランド(NZ準備銀行=RBNZ)や南ア(南ア準備銀行=SARB)は11月の金融政策委員会(MPC)で今年は終わっています。
このようになり、FOMCで大きなイベントをクリアしながら日銀がしんがりを務めることになります。
しかし、今年はこれで相場が落ち着くことはありません。

大動きになるイベントは、いつ?
中銀の政策決定会合が終わった後も相場が波乱含みになるのは、米国の政府機関が一部閉鎖されたことが要因です。
一部閉鎖になっている期間のデータ収集に時間を要し、それらの間の経済指標の発表が軒並み重要な指標がFOMC後に発表されることになりました。
米労働省労働統計局(BLS)が発表するものでは下記のようになります。
16日・・・11月雇用統計(失業率を除いた10月分を含む)
18日・・・11月消費者物価指数(CPI)
更に米商務省経済分析局(BEA)が出す10・11月分の個人消費支出(PCE)デフレーターも発表予定日が定まっていません。
今月か来月に発表されると思われますが、いまだに不明です。
米連邦準備理事会(FRB)が判断する重要な指標が、このように発表がずれ込んでいること、で今年の12月相場が通常と異なることを知らないでやってはいけないでしょう。



