外為市場かく戦えり

第89回【ポンドドル】何を間違えたか・・・

イチオシ」内ではテクニカル分析を始めとしたトレードのアイディアを主に書いていますが、本コラムではその中で書けなかったことや、その後の振り返りなどに触れてゆきます。たまには番外編もあります。


さて、今回はポンドドルです。

エントリーは良かったと思うのですが、決済がうまくゆかず、結果としてマイナスになりました。

トレードを振り返りたいと思います。


皆様の参考になれば幸いです。



材料・チャート共に下向きに見えた


早速ですが、6日にこう書きました。(一部加筆)

本日の英中銀(BOE)の金融政策委員会(MPC)、市場予想は据え置きだが次の一手は利下げと見られていることや、英財政懸念もあり、ポンドは売りやすいと見る。ポンドドルを現在レート1.3062ドルで売り。1.3090ドルや1.3120ドルでも少量売り増し。前日高値のやや上1.3150ドルで損切り。


ポンド売りの材料が出ていることや、日足チャートでも下落中であったことから、ポンドドルの1.30ドル割れを期待して売り目線で入ることにしました。


その後、BOE理事会直後に下押したものの限定的となり、戻り高値を意識した指値が軒並み成立しました。

しかも、その後は戻り歩調が続くと、10日には1.3150ドルのストップが成立してしまいました。



※Trading Viewより



何がいけなかったのか?


今回、BOEの次の一手を見据えての売りでしたが、6日のMPCの際は下押すも一時的となり、その後は買い戻しが優勢となりました。

以下、その時の値動きです。


※Trading Viewより


ずっと相場を見ていれたら違ったのかもしれませんが、この日はストップだけおいてPCの前から離れていました。

一時的な下押し後に再び上昇したことを知ったのは、しばらく後であったので、素早く損切りすることはできませんでした。


また、翌7日に下押す場面はありましたが1.3095ドルまでと、保有ポジションの平均コスト1.3084ドルよりも上のため、決裁すると損失確定になってしまうこともあり、ストップをバックに粘る方針となりました。


相場に常に張り付いては入れない点や、その日の安値を見切って損切りできるほどの決断力はないなど、仕方のない部分もあります。


そうした中で悔やむとすれば、ポジション量がやや多かった点でしょうか。

今回は

1.3062ドル×2万ドル

1.3090ドル×1万ドル

1.3120ドル×1万ドル

と、合計4万ドルでの売買でした。


ストップ成立時の損失は想定内でしたので問題ないですが、小さくはなかった点を踏まえると、ポジションサイズは調整の余地があったのかもしれません。

例えば、最初の1.3062ドルを1万ドルにしてもよかったのかもしれません。



現在保有ポジション(執筆時点)


ドル円買い少量 154.13円

豪ドル円買い 100.74円


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為替情報部 アナリスト

川畑 琢也

2002年に商品先物会社に入社し外国為替証拠金取引(FX)部門に配属されたのを皮切りに、複数のFX会社・部門でディーリングや相場分析を始めとして様々な業務を担当。FX会社系総研ではシニアテクニカルアナリストとして従事、雑誌の連載やメディアへの出演などを行う。2023年にDZHフィナンシャルリサーチ入社。

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