外為市場かく戦えり

第82回 【ユーロ円と豪ドル円】クロス円の中で選んだのはこの通貨

イチオシ」内ではテクニカル分析を始めとしたトレードのアイディアを主に書いていますが、本コラムではその中で書けなかったことや、その後の振り返りなどに触れてゆきます。たまには番外編もあります。


さて、今回はユーロ円と豪ドル円です。

普段ドル円をトレードすることが多かったのですが、今回はあえてこの2つを選びました。

その理由についても触れてゆきたいと思います。


皆様の参考になれば幸いです。



どれを買おうかな!?


早速ですが、22日にこう書きました。

株高で市場がリスクオンとなれば、クロス円にとって追い風。チャート形状の良さそうなユーロ円を174.02円、豪ドル円を97.67円で、それぞれ成行買い。損切りはいずれも19日安値の10銭下。利確候補は機械的に2円上をイメージ。


足もとでは、米株主要3指数のみならず日経平均も史上最高値を更新したほか、英独株も伸び悩むとはいえ高値圏での推移となるなど、リスクオンの地合いとなっていました。

そうなると、高金利通貨などでキャリートレードがしやすい地合いと言えます。


ただ、気を付けるべきは利下げ観測の高まっている通貨と、そうでない通貨を見分ける必要があるところです。せっかく買っても伸びがいまいちで何となくさえない、といった通貨は選びたくないものです。


金融政策の方向性としては、ユーロは夏の利下げで一服感が出ているほか、豪ドルも年内は金利据え置きが見込まれていることが挙げられます。

それに対して、NZドルは10月の金融政策会合での利下げが見込まれていることもあり、外しました。


加えて、チャートが上昇を期待させる形のものを探しました。

例えばユーロ円は日足・一目均衡表で三役好転が点灯しており、上昇トレンドに入った可能性がありました。

また、豪ドル円についても21日線が上向きで推移していたほか、ローソク足は21日線の上で推移していたこともあり、選びました。



その後は・・・


その後ですが、相場はじり高で推移。少し早いかとも思いましたが、25日にこう書きました。

ユーロ円174.02円と豪ドル円97.67円の買いは、相場上昇に合わせてカットラインを買値から5銭上に変更。共にまだ上はあると見ているものの、万一の下げに備え、足が出ないようにする。


できれば1円以上利が乗ったときにしたかったのですが、特にユーロ円は年初来高値更新という立ち位置もあり、不意の調整に備えるうえでこのような形にしました。

ちなみに同値ではなく5銭上としたのは、多少でも利益が出る形でクローズにしたいという気持ちの表れです。


25日の執筆時点ではどちらもストップはついてませんが、どうなるでしょうか。

しばらく見守りたいと思います。



現在保有ポジション(執筆時点)


ユー円買い 174.02円

豪ドル円買い 97.67円


この連載の一覧
第82回 【ユーロ円と豪ドル円】クロス円の中で選んだのはこの通貨
第81回 【ドル円】米雇用統計トレードを振り返る
第80回 【ドル円】こちらも我慢のとき
第79回 【NZドル円】我慢のとき
第78回 【ドル円・豪ドル円】「まさか」の2連発
第77回 【ドル円】「天の恵み」に助けられる
第76回 【ユーロドル】ナゾの外国人、あらわる!?
第75回 【ドル円】タイミングを待つ展開
第74回 【発表】2025年前半の損益
第73回 【ドル円】飛び交うトランプ砲、見事巻き添えに
第72回 【ユーロドル】悩みどころ
第71回 【ユーロドル】長いものには巻かれろ!?
第70回 【ドル円】流れが変わる兆し!?をとらえる
第69回 【ドル円】三角保合上抜けで買ってみる
第68回 【豪ドル円&NZドル円】タコではなくチキン
第67回 【ドル円】割り切るためのストップ注文・・・たとえ割り切れなくても
第66回 【ポンド円】利食い千人力の心境で
第65回 【ドル円】流れに乗りさえすれば何とかなる!?
第64回 【豪ドル円】まるで滑り台!?滑り落ちないよう気を付ける
第63回 【ユーロドル】月が替わったのでツキよ変われ!?
第62回 【ドル円】もう、あなたにはついてゆけません!
第61回 【ボラティリティ】あればいいというわけではない
第60回 【番外編】合戦場の使い回しはあるか、ドル円の下値めどを確認
第59回 【ドル円】「チャート<材料」の時もある
第58回 【NZドル円】得意パターンに乗ってみる
第57回 【トルコリラ円】別れは突然に。どうなった損益は!?
第56回 【ドル円】待つも相場
第55回 【トルコリラ円】長期投資目的ではあるが・・・
第54回 【ドル円】楽に儲けたい!?
第53回 【ドル円】波に乗れないときもある
第52回 【ドル円】待つも相場
第51回 【ユーロドル】欧米の利下げペース格差に注目して売ってみた
第50回 【ドル円】逃げるのは恥じゃない
第49回 【割り切り】タイミングの悪い時もある
第48回 【まさか】ドル円、新年早々に出会った意外な展開
第47回 【発表】2024年後半の損益、そして年間損益は!?
第46回 【ドル円】クリスマス終わったので動き出すか
第45回 【ドル円】利益は出たが、惜しい結果に
第44回 【ドル円】運も実力のうち!?そのためには準備を
第43回 【ユーロ円】取引は余裕をもって
第42回 【ポンドドル】感じろ、違和感
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第35回 【どうする】ドル円、押し目がないかもしれない時
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第23回 【ドル円】是生滅法の心境で
第22回 【振り返り】今年前半の損益とトレード
第21回 【ドル円】約37年半ぶりの円安を見たら、欲は出るよね
第20回 慌てるな!待つも相場
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第18回 【解説】トルコリラ円とドル円を買いたいと思った理由
第17回 どうする!?相場にやる気がない時
第16回 【ランド円】大物を釣るための心構え!?
第14回 ドル円、ストップロスの重要性を再確認
第13回 【番外編】アップデート・ドル円の2024年見通し
第12回 チャートの声を聞いてドル円を買ってみる
第11回 豪ドル円、天井は近い?
第10回 どうする!? 選択肢がたくさんある時
第9回 スワップは甘いささやき?
第8回 不器用な人間でも勝つ方法を考える
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第6回 【デッドクロスのその後】南アフリカランド円、買いで入る
第5回 待つも相場、一進一退でも焦らない
第4回 マイナスをプラスに変えるには?
第3回 ユーロドル、どうする!?出遅れた相場への取り組み方
第2回 【番外編】テクニカル面から見た、これからの2024年のドル円相場見通し
第1回 ランド円、デッドクロスの先を予測する

為替情報部 アナリスト

川畑 琢也

2002年に商品先物会社に入社し外国為替証拠金取引(FX)部門に配属されたのを皮切りに、複数のFX会社・部門でディーリングや相場分析を始めとして様々な業務を担当。FX会社系総研ではシニアテクニカルアナリストとして従事、雑誌の連載やメディアへの出演などを行う。2023年にDZHフィナンシャルリサーチ入社。

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