先週末の日経平均は大幅反落
先週末の日経平均は大幅反落となりました。半導体大手エヌビディアが好決算を発表しても米主要指数が売られたことが嫌気され、開始早々に下げ幅を1,200円超に拡大。48,500円台まで下げたところでいったん切り返しましたが、49,000円近辺では売り直される展開となりました。後場に入っても低空飛行が継続。終値でも4ケタの下落となり、下落率は2%を超えました。
東証プライム市場の売買代金は概算で8兆9,500億円。値上がり銘柄数1317に対し、値下がり273銘柄と、値上がり優位となりました。業種別では、不動産、陸運、建設などが上昇した一方、非鉄金属、機械、電気機器などが下落しました。
個別では、自己株取得を発表したサンリオ(8136)が5.3%高となったほか、コナミグループ(9766)やバンダイナムコホールディングス(7832)などのゲーム株の一角が大幅上昇となりました。三菱地所(8802)、東急不動産HD(3289)など不動産株や、大成建設(1801)、大林組(1802)などの建設株の上昇も目立ちました。一方、ソフトバンクG(9984)が10%を超える下落となったほか、アドバンテスト(6857)以外にも半導体株が軒並み大きな下げとなりました。フジクラ(5803)などの電線大手3社がそろって急落。株式の売り出しを発表した豊田合成(7282)が8%を超える下落となりました。
週足でみるアドバンテストの株価推移
図表は、アドバンテスト(6857)の2024年9月頃からの週足の一目均衡表です。下位は、売られ過ぎや買われ過ぎ、勢いなどをみるオシレータ系指標で代表的な相対力指数のRSI(9週ベース)の推移です。

一目均衡表は、「基準線」「転換線」「先行スパン1」「先行スパン2」「遅行スパン」で構成されます。基準線は、「過去26週間の最高値と最安値の中間値」で算出されます。転換線は、「過去9週間の最高値と最安値の中間値」で算出されます。先行スパン1は、「転換線と基準線の中間値を26週先行させた線」となります。先行スパン2は、「過去52週間の最高値と最安値の中間値を26週先行させた線」となります。遅行スパンは、「週間の終値を26週前に遅行させた線」となります。先行スパン1と先行スパン2の間の価格帯を雲(抵抗帯)と呼びます。
アドバンテストは現在、長い陽線を形成してつけた10月30日の上場来高値(23,675円)で上昇が一服し、短期の調整局面にあります。
4月安値(4,703円)以降、転換線を概ね下値サポートにして上昇基調が続きましたが、先週の下落によって、最初の下値の節目である転換線を下回る動きになったことが確認できます。
転換線を下回ったこと自体が強い弱気シグナルになるというわけではありませんが、これまで上向き基調を続けてきた転換線が今週は横ばいに変化する可能性が高い点に留意が必要です。転換線を下回って終えたことで、今度は反発時には同線が上値抵抗となりやすいからです。
すぐに転換線上を回復することができれば、高値圏でのもみ合い相場に進展していくことが想定されます。上場来高値からの調整幅が大きいため、早々に上場来高値を更新する想定はしづらい局面でしょう。
一方、転換線を下回った状態が続く場合、基準線まで調整が拡大する可能性が高まります。
RSI(9週)にも80%を下回るピークアウトの兆候が確認できます。直近の安値を下回ると高値水準を切り下げる動きになり、株価調整の先行シグナルと捉えることができます。さらに、50%を下回ると弱気局面入りとなり、株価の調整が一段と深まることが予想されます。



