今回解説していく通貨は豪ドル円(aud/jpy)です。昨年4月からの上昇トレンドに変化が生じており、上昇トレンド維持に向けた正念場となっています。直近安値の108.80円付近を下抜けると103.90円前後まで調整余地が拡大する可能性もあるだけに注意しておきたいところです。
ファンダメンタルズを確認すると、豪準備銀行(RBA)は強いインフレ警戒姿勢を示していますが、直近のインフレ指標は鈍化気味。年内の追加利上げ観測は後退しつつあります。
今後の豪ドル円の相場焦点:年内は金利据え置きか
まずは豪州の現在の金融政策状況を確認していきます。
豪準備銀行(RBA)は2025年2月に金融緩和を開始。2025年8月に政策金利を3.60%まで引き下げましたが、2026年2月から金融引き締めへと転じました。現在の政策金利は4.35%です。
●RBAは6月に開催された直近の会合で政策金利の据え置きを決めましたが、その際の声明文では
・直近のデータは、ヘッドラインインフレ率および基調的なインフレ率が依然として高すぎることを示している
・インフレ率はしばらくの間高止まりする可能性が高い
・景気減速の兆候が見られるが、インフレ率は依然として高水準にあるため、政策金利の据え置きが適切と判断
・理事会は必要に応じて政策金利目標をさらに引き上げることを含め、その目標達成のために必要と判断されるあらゆる措置を講じる
などの見解が示されました。
ただ、その後に公表された直近(5月)の消費者物価指数は前年比4.0%となり、2カ月連続でインフレ鈍化の傾向が示されました。RBAが重視する四半期インフレ統計(4-6月期は7月29日に発表)を待つ必要がありますが、インフレはピークアウトした可能性があり、金利先物市場では年内の追加利上げを織り込んでいない状況です。
豪ドル円の週足分析:上昇トレンド維持に向けた正念場
下図は豪ドル円の週足チャートになります。

現在は昨年4月からの上昇トレンド(チャート上の青色実線)を維持。さらに昨年10月からはより強い上昇トレンド(チャート上の黄色実線)内での推移となっていましたが、今月に入って同トレンドラインを下抜けています。
チャート下部に追加した「DMI」で確認しても+DI>-DI(上昇トレンド)ではあるものの、トレンドの強さを示すADXが減速気味。盤石であった上昇トレンドに変化が見られているようです。
今後は前述した昨年4月からの上昇トレンドライン(チャート上の青色実線)を維持できるかに注目。同トレンドラインを下抜けても上昇トレンドが終了というわけではありませんが、3月31日につけた直近安値の108.79円まで視野に入り、調整リスクが高まることは間違いないでしょう。
豪ドル円の日足分析:103.90円まで下値余地拡大のシナリオも
今度はより短期的な視点からも豪ドル円の動きを確認していきましょう。下図のチャートは豪ドル円の日足チャートになります。
注目は週足分析で紹介した昨年4月からの上昇トレンドライン(チャート上の青色実線)、および3月31日につけた直近安値の108.79円(チャート上の赤色実線)を維持できるかどうかです。
特に後者を下抜けると調整余地が一段と拡大。その場合は昨年4月安値から今年6月高値までの上昇幅に対する38.2%押し水準(103.90円)付近が次のターゲットになります。
今後の取引材料・変動要因をチェック:豪インフレ統計と日銀金融政策に注目
最後に今後1カ月間の重要イベントも確認しておきます。期間内に豪準備銀行(RBA)の理事会は予定されておらず(次回は8月10-11日)、注目は四半期のインフレ統計となるでしょう。
一方、日本では日銀の金融政策決定会合に注目。「政府が7月に策定する骨太方針に『適切な金融政策』との文言を明記し、日銀の追加利上げを牽制する方針」との報道も伝わるなか、日銀の金融政策姿勢が改めて問われそうです。
その他のイベントは以下の通りとなります。
今後1カ月の重要イベント
・7月24日 日本 6月全国消費者物価指数(CPI)
・7月29日 豪州 4-6月期CPI
・7月29日 豪州 6月CPI
・7月30-31日 日本 日銀金融政策決定会合



