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ドル円、結局はレンジ継続
今週のドル円相場は結局レンジ継続。注目の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、市場予想通り政策金利の0.25%引き下げが決まりました。声明では「雇用の伸びは鈍化し、失業率は小幅に上昇したものの、依然として低水準にある」「委員会は2つの使命の両面に対するリスクを注視しており、雇用に対する下振れリスクが高まっている」との見解が示されました。なお、採決では16日に理事に就任したミラン氏が反対票を投じ、0.50%の利下げを主張したことが明らかになっています。
また、同時に公表されたFOMCメンバーの金利見通し(ドット・プロット)では、2025年末時点の中央値が3.625%に引き下げられ、年内残り2回の会合でも利下げするとのシナリオが示されました。ドル円はFOMC結果公表直後には145.49円まで下落し、7月7日以来約2カ月半ぶりの安値を更新しました。
*Trading Viewより
ただ、売り一巡後は一転上昇。パウエルFRB議長がFOMC後の会見で「雇用減速の大部分は労働人口の減少を反映」「リスクバランスは変化し、雇用に対する下振れリスクが高まっている」と述べたほか、「今日の決定はリスク管理の利下げだ」「今回の会合で0.50%の利下げは広く支持されなかった」などと発言すると、市場の一部ではパウエル氏の「リスク管理のための利下げ」との発言が「今後の利下げに慎重」と受け止められ、ドル買い戻しを誘いました。週末19日には一時148.28円と8日以来の高値を付けています。植田和男日銀総裁が金融政策決定会合後の記者会見で「今後の金融政策、もう少しデータを見たい」「経済の下振れリスク、そこそこある」などと述べ、追加利上げの時期について言及しなかったことも円売り・ドル買い要因となったようです。
結局、8月1日の7月米雇用統計ショック後のレンジが続く格好に。レンジブレイクとはいかなかったようです。「今後のレンジブレイクにむけたパワーを溜めている」状況でしょうか。いずれにしても、結局はここ1カ月半のレンジが続くことになりました。
投機筋の円買いポジション、大きく縮小
米商品先物取引委員会(CFTC)が9月19日(日本時間20日早朝)に発表した9月16日時点の建玉報告によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の通貨先物市場で非商業部門(投機筋)の円の対ドル持ち高は6万1411枚の円買い越し(ドル円のショート)となり、前週から3万232枚減少しました。
*CFTCのデータを基にDZHフィナンシャルリサーチ作成
投機筋の円のポジションは昨年7月2日には18万4223枚の円売り越し(ドル円のロング)となり、2007年6月(18万8077枚)以来の高水準を記録していましたが、そのあとは一転して円買いポジションを構築する動きが優勢に。4月29日には17万9212枚と過去最大を更新しています。これ以降はその動きが一服し、今週は6万1411枚まで縮小したことが明らかになりました。
サナエノミクスに期待
ドル円の一目均衡表チャートを見ると、週末の終値(147.95円)で雲の上限(147.88円)、下限(146.73円)、転換線(146.89円)、基準線(147.32円)を全て上抜けています。テクニカル的には買いが入りやすい地合いといえます。大きな材料待ちの状況ではありますが、8月から続くレンジをブレイクするにはまさに打って付け。
*Trading Viewより
なお、個人的には高市早苗前経済安保担当相の「サナエノミクス」「ジャパン・イズ・バック」に期待しています。高市氏は19日、石破首相の後任を選ぶ自民党総裁選挙について「日本の国力を強くし、暮らしや未来の不安を夢と希望に変える政治を実現したい」として、立候補することを正式に表明しましたが、高市氏が当選した場合(当選の思惑)は円安方向に振れやすいと思われます。一方、自民党の小泉進次郎農水相が総裁選に出馬する意向と伝わった16日には円高方向に振れる場面がありました。小泉氏が当選する場合、その政策は市場が高市氏に期待するほど緩和的ではないとの見立てを背景に円高方向に振れやすいようです。
*IG証券より
現在のポジションはドル円ロング@145.327円。しばらくは上サイド突破を期待しながらポジションを維持していきたいところです。
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