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ドル円、年内最後のFOMCを通過
今週のドル円はやや上値が重い展開となりましたが、ビッグイベントである米連邦公開市場委員会(FOMC)がある週と考えれば、「大きな方向感は出なかった」と言えそうです。今週の値幅は約2円と通常運行の値幅となっています。

*Trading Viewより
米連邦準備理事会(FRB)は9-10日に開いたFOMCで市場予想通り政策金利を3.50-3.75%に引き下げることを決めたと発表。声明では「米経済活動が緩やかなペースで拡大していることを示唆」「FF金利の目標レンジのさらなる調整の程度とタイミングを検討する際、FOMCは入ってくるデータ、進展する見通しおよびリスクのバランスを慎重に評価する」と指摘し、文言を微調整。次の利下げ時期に関して不確実性が強まっていることを示唆しました。一方、準備預金残高が十分な水準まで減少したと判断し、準備金を恒常的に十分な水準に維持するため、必要に応じて短期国債の購入を開始すると表明しました。
同時に公表されたFOMCメンバーの金利見通し(ドット・プロット)では、2026年と27年は1回の利下げ予想が維持され、長期金利(中立金利)見通しも3.0%で据え置かれました。パウエルFRB議長はFOMC後の会見で「インフレ率は依然としてやや高い」「雇用の下振れリスクは最近高まっているようだ」「FRBは会合ごとに決定を下す」「FRBは経済の動向を見守る態勢にある」「1月FOMCまでに多くのデータが得られるだろう」と述べ、今後の政策判断において経済指標を見極める姿勢を示しています。

*FRBのHPより
なお、最新のドット・プロットでは、当局者は中央値で26年と27年にそれぞれ1回ずつの利下げを予想していますが、金利見通しには依然として大きなばらつきが見られました。26年を通じて金利据え置きを見込んだ当局者が7人いた一方、少なくとも2回の利下げ支持を示唆したのは8人となっています。
投機筋の円買いポジション、縮小
米政府機関の閉鎖が終了したことで、米経済指標のなどの公表も始まり、米商品先物取引委員会(CFTC)による投機筋のポジションも公表が再開されています。ただ、最新のデータではなく、集計がまとまり次第、これまで公表されなかった分を順次発表しているという状況です。CFTC が12月12日(日本時間13日早朝)に発表した11月18日時点の建玉報告によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の通貨先物市場で非商業部門(投機筋)の円の対ドル持ち高は3万1157枚の円買い越し(ドル円のショート)となり、前週から1万7319枚減少しました。

*CFTCのデータを基にDZHフィナンシャルリサーチ作成
投機筋の円のポジションは昨年7月2日には18万4223枚の円売り越し(ドル円のロング)となり、2007年6月(18万8077枚)以来の高水準を記録していましたが、そのあとは一転して円買いポジションを構築する動きが優勢に。4月29日には17万9212枚と過去最大を更新しています。これ以降はその動きが一服し、円買いポジションが縮小されています。
ドル円の一目均衡表チャートを見ると
ドル円の一目均衡表チャートを見ると、週末の終値(155.81円)で転換線(155.65円)や基準線(155.36円)、雲(上限:151.90円、下限:149.99円)を上回っており、テクニカル的にも底堅い展開が予想されます。また、マクロファンドなどが重要視している50日移動平均線が位置する153.93円も引き続き上回っており、上サイドへの期待は高まります。

*Trading Viewより
なお、現在の私のポジションはドル円ロング@145.327円。「日銀は18-19日に開く金融政策決定会合で政策金利を現行の0.50%から0.75%に引き上げる公算が大きい」との報道が相次いでいますが、市場は日銀の利上げを「ほぼ織り込んでいる」状況。急ピッチで上昇すると、為替介入への警戒感が高まることには注意が必要ですが、緩やかなペースで円安・ドル高が進む分には、現在のポジションを維持したいと思います。

*IG証券より
来週の日銀金融政策決定会合での利上げはほぼ確実視されていますが、「焦点はその後の利上げペースについて植田和男日銀総裁が何を話すかに移っている」との声が聞かれています。大手ベンダーの集計によると「多くのエコノミストが、日銀が新たな中立金利の分析を提示するかどうかが会合の焦点になる」もよう。「今回の利上げ局面における最終到達金利(ターミナルレート)の予想中央値は1.25%。今月に加えて、さらに2回の追加利上げが見込まれている」といいます。
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