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日米株価もドル円も結局底堅い
今週のドル円はあまり大きな動きとはなりませんでしたが、12日に一時155.04円と2月4日以来約9カ月ぶりの高値を付けました。週前半は米政府機関再開への期待が高まる中、世界的に株価が上昇するとリスク・オンの円売り・ドル買いが優勢に。米国株式市場でダウ工業株30種平均は連日で史上最高値を更新しました。また、東京株式市場では決算を材料とした物色が活発となり、東証株価指数(TOPIX)が上昇し、史上最高値を更新しています。

*Trading Viewより
週後半は米国株の下落をきっかけにドル円にも売りが目立ちました。過去最長となった米政府機関の一部閉鎖は終了したものの、ダウ平均は前週末から閉鎖解除に向けた動きを好感した買いが断続的に入り、連日で史上最高値を更新していただけに、利益確定目的の売りが優勢に。米連邦準備理事会(FRB)高官から12月の利下げに慎重なコメントが相次ぎ、米利下げ観測が後退したことが相場の重しとなり、週末の2日間で1000ドル超下落しています。
一方、米利下げ観測の後退はドル円の支援材料。14日のNY序盤には一時153.62円まで値を下げましたが、売り一巡後は買い戻しが優勢となり154.74円付近まで持ち直しています。
FRB高官発言で米利下げ観測後退
デイリー米サンフランシスコ連銀総裁は13日、「12月の金利についてはまだ最終決定していない」「インフレ率を2%に引き下げるにはまだ努力が必要」と述べたほか、ハマック米クリーブランド連銀総裁は「高インフレが依然として続いている」「政策はある程度引き締め的な姿勢を維持する必要がある」などと発言。また、カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁は「インフレ率は3%と依然として高すぎる」「12月の利下げについてはまだ強い意向はない」と話したほか、ムサレム米セントルイス連銀総裁は「金融政策を過度に緩和的にせずに追加的な利下げを実施する余地は限られている」などと語っています。
14日は10月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げに反対し、金利据え置きを主張したシュミッド米カンザスシティー連銀総裁が「10月の反対意見表明の根拠は、12月に向けても私の指針となっている」と発言。また、ローガン米ダラス連銀総裁も「10月は据え置きを望んだ」「12月の会合で追加利下げを支持するのは難しい」などと話しています。

*CMEのHPより
FRB高官から12月の利下げに慎重なコメントが相次いだことで、米利下げ観測は後退。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、12月9-10日のFOMCで0.25%の利下げを予想する確率は1週間前の66.9%や1カ月前の94.4%から45.8%まで低下しています。据え置きを予想する確率は54.2%に上昇しています。
ドル円の一目均衡表チャートを見ると
ドル円の一目均衡表チャートを見ると、週末の終値(154.55円)で雲の下限(149.38円)や雲の上限(149.65円)、基準線(152.21円)、転換線(153.93円)をすべて上回っており、テクニカル的に買いが入りやすい地合い。また、マクロファンドなどが重要視している50日移動平均線が位置する150.76円を引き続き上回っており、上サイドへの期待は高まります。

*Trading Viewより
また、14日夜に日経新聞が報じたところによると、「政府が近く策定する総合経済対策の規模は17兆円台になる見通し。ガソリン税などに上乗せされる旧暫定税率の廃止による大型減税も盛り込む」といいます。来週もこれらの材料を手掛かりに円売り・ドル買いが出やすいと予想します。

*IG証券より
現在の私のポジションはドル円ロング@145.327円。急ピッチで上昇すると、政府・日銀による為替介入への警戒が高まることから、あくまでも緩やかなペースで円安・ドル高が進むと想定し、現在のポジションを維持したいと思います。
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