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高市トレード継続
今週のドル円は引き続き底堅い展開となりました。積極財政や金融緩和を志向するとされる高市早苗氏が新首相に就任したことを受けて、日経平均株価が史上最高値を更新する中、円売りが継続する格好となりました。「高市トレード(円売り・株買い)」がいまだ健在といったところです。また、今週の注目イベントの一つである米連邦公開市場委員会(FOMC)では市場予想通り0.25%の利下げが決定。同時に量的引き締め(QT)と呼ばれるバランスシートの圧縮を12月1日で終了することも決まりました。なお、採決ではミラン理事が前回と同様に0.50%の利下げを、シュミッド米カンザスシティー連銀総裁が金利据え置きを主張し、反対票を投じたことが明らかとなりました。また、パウエルFRB議長はFOMC後の記者会見で12月の利下げについて「既定路線というにはほど遠い」などと発言。米利下げ継続への期待感が後退し、米長期金利の上昇とともにドル買いが広がった面もあります。

*Trading Viewより
翌30日にはもう一つの注目イベントである日銀金融政策決定会合の結果が伝わりました。結果は予想通りの現状維持。ただ、植田和男日銀総裁が会合後の記者会見で「利上げの是非やタイミングは現時点では予断持っていない」「緩和度合い調整にはもう少しデータ等確認したい」などと発言すると、「日銀は利上げに消極的」と受け止められ、円を売る動きが広がりました。海外市場でも円売りの流れが継続し、ドル円はNY時間に一時154.45円と2月13日以来の高値を付けています。当然、日経平均株価も大幅高となり、史上最高値を更新しています。
ドル円の一目均衡表チャートを見ると
ドル円の一目均衡表チャートを見ると、週末の終値(153.99円)で雲の下限(147.73円)や雲の上限(148.21円)、基準線(150.52円)、転換線(152.46円)をすべて上回っています。また、「8月から続くレンジを明確にブレイクした」とも言えるため、テクニカル的にも買いが入りやすい地合いです。当然、重要なポイントである200日移動平均線147.75円は大きく上抜けている状況です。

*Trading Viewより
200日移動平均線は重要な中期線として、機関投資家など多くの市場参加者が注目するポイント。テクニカル的なサポートやレジスタンスとしてだけではなく、ここを中心に投資家心理も大きく変わってくると言われていますので、上サイドへの期待は高まります。
黒田前日銀総裁、120~130円前後に向けた円高進行見込む
ドル円は上サイドへの期待が高まる一方、市場では下サイドを警戒する声も聞かれています。黒田東彦前日銀総裁は今週、「日本と米国の金利差が早晩縮小すると見込まれることで、ドル円は120~130円前後に向けて下落する公算が大きい」との見解を示しました。同氏は「2%の物価目標はすでに達成され、経済は1.5%程度の成長となっている。失業率はわずか2.6%程度だ」と指摘し、「日銀が利上げを継続する環境は整っている」と指摘しています。
また、米ゴールドマン・サックスは「日本の金融政策の正常化が進む中で、円の『過小評価』が今後10年で解消に向かう」とのリポートを公表。「長期的に、ドル円は公正価値から大きく乖離する局面を繰り返してきたものの、最終的には公正価値に回帰する傾向が強い」と指摘しており、1ドル=100円に回帰する可能性に言及しています。
なお、現在の私のポジションはドル円ロング@145.327円。今後も日米株価指数の上昇が期待される中、リスクを取りやすい地合いが続く公算が大きく、ドル円も水準を切り上げると予想しており、しばらくはポジションを維持したいと思います。
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