先週末の日経平均は続落、日銀会合の結果で後場に下げ幅を拡大
先週末の日経平均は反落。米国株高や円安進行が好感され、前場は上げ幅を500円以上に広げ45,800円台に乗せる展開となりました。一方、日銀金融政策決定会合の結果で政策金利は据え置かれたものの、保有するETFとREITを市場で売却することを決定したことなどが売りを誘い、一時は下落幅が800円を超える場面もありました。
東証プライム市場の売買代金は概算で8兆7,500億円と高水準。値上がり銘柄数649に対して、値下がりは917銘柄と、値下がり優勢でした。業種別では、銀行、卸売、証券・商品先物などが上昇した一方、その他製品、サービス、精密機器などが下落しました。
個別では、フランス眼鏡大手のエシロール・ルックスオティカによる保有株買い増しが判明したニコン(7731)が急伸。米インテル株の急騰を受けて、インテル向けのパッケージ基板を手がけるイビデン(4062)が買いを集めました。日銀会合を受けて早期利上げの可能性が意識されたことから、三菱UFJFG(8306)や三井住友FG(8316)など銀行株に資金が向かいました。一方、任天堂(7974)、ソニーG(6758)などゲーム関連が軟調。TDK(6762)や太陽誘電(6976)が上を試した後にマイナス転換から下げ幅を拡大。大阪チタニウム(5726)と東邦チタニウム(5727)のチタン2社がそろって大幅安となりました。
週足でみる三井住友FGの株価推移
図表は、三井住友フィナンシャルグループ(8316)の2023年9月頃からの週足のローソク足に加え、13週・26週・52週移動平均線です。下位は、売られ過ぎや買われ過ぎ、勢いなどをみるオシレータ系指標で代表的な相対力指数のRSI(9週ベース)の推移です。
大局的な流れとしては、上昇基調が続く52週移動平均線付近をサポートに上昇波動が続いているという判断が続いています。
昨年8月の急落や今年4月の急落で52週移動平均線を割り込む場面はありましたが、しっかり戻って直前の高値を更新する動きとなっています。
4月の急落による大幅安によって、13週移動平均線が26週移動平均線や52週移動平均線を下回る場面がありましたが一時的な現象でした。すぐさま上昇に転じ7月以降のサポート機能を果たしています。
現在、8月高値(4,268円)からの調整局面ですが、8月中旬に形成した長い陽線のレンジ内でもみ合いが続いており、大幅な調整は回避している状況です。
13週移動平均線は上昇基調にあることからも、高値警戒感よりも先高期待が勝る状況にあると判断できます。
今年3月高値(4,140円)までの上昇で昨年7月高値(3,783.2円)を更新しましたが、直後の下落幅が大きくなったため、その後の上昇は緩やかなものにとどまりました。
ただ、8月高値までの上昇で3月高値を更新した後、高値保ち合いを続けているため、短期的には上昇期待が続く公算が大きいです。
相対力指数のRSI(9週ベース)は過熱圏である80%以下で推移しており、過熱感があるとはいえない状況です。
中長期視点の上値メドとしては、3月高値から4月安値(2,560.5円)までの下げ幅に対する1.5倍返しの4,920円どころや、下げ幅に対する倍返しの上げと考えた5,710円どころが予想できます。