東野幸利のチャート道場

【パナソニックHD~決算に弱気反応も上昇継続の局面】

10月最終日の日経平均は52,000円台乗せ、3日連続で史上最高値を更新

10月最終日となった先週末の日経平均は3日続伸。米国市場の引け後に決算を発表したアマゾンやアップルが時間外で大きく上昇したことが好感され、寄り付きから300円を超える上昇。前日の植田日銀総裁の会見を受けて円安が進行したことも、買いを後押ししました。早い時間に節目の52,000円を突破。上げ幅を4ケタに広げたところで買いが一巡しましたが、後場に入ると改めて買いに勢いがつく展開となりました。3日連続で史上最高値を更新。日足、週足、月足ともに高値引けとなりました。


東証プライム市場の売買代金は概算で8兆5,600億円。値上がり銘柄数971に対して、値下がりは580銘柄と、値上がり優位となりました。業種別では、電気・ガス、食料品、非鉄金属などが上昇した一方、輸送用機器、金属製品、医薬品などが下落しました。


個別では、アドバンテスト(6857)やソフトバンクG(9984)など主力のグロース株が大幅上昇。上方修正を発表した日立(6501)が急伸しました。業績関連ではイビデン(4062)やJT(2914)なども大幅上昇。コナミG(9766)が2ケタの上昇率となり、アンリツ(6754)がストップ高まで買い進まれました。一方、オリエンタルランド(4661)、パナソニックHD(6752)、日産自動車(7201)などが業績関連のリリースを材料に大幅安。失望決算銘柄は叩き売られ、下方修正を発表した日本航空電子(6807)はストップ安となりました。


週足でみるパナソニックHDの株価推移

図表は、パナソニックホールディングス(6752)の2022年8月中旬頃からの週足のローソク足に加え、13週・26週・52週移動平均線です。下位は、売られ過ぎや買われ過ぎ、勢いなどをみるオシレータ系指標で代表的な相対力指数のRSI(9週ベース)の推移です。



大局的な流れとしては、高値水準をゆっくりと切り上げる動きですが、勢いのある上昇トレンドを形成しているようにはみえません。どちらかというと、上げ下げのレンジのような動きに近いといえます。


2024年8月の急落後につけた安値(986.9円)は、2022年10月安値(1,006.5円)を一時的に下回るネガティブな動きとなりました。しかし、2024年8月安値からの次の上昇相場では13週移動平均線が26週移動平均線、52週移動平均線を上回るゴールデンクロスの強気シグナルを発し、今年2月高値(1,919円)まで上昇。ひとつ前の高値である2023年9月高値(1,808円)上回るポジティブな強い動きもみせました。


ひとつ前の高値を超えたことで、次の下落局面では調整幅が半値押し程度にとどまったと考えられます。


今年4月の急落時には一時的に52週移動平均線を下回る場面がありましたが、週足ローソクは長い陽線を形成し、下げ止まりました。その後の強いリバウンド相場が一巡した後は、7月には再び52週移動平均線を下回る安値(1,410.5円)をつけた経緯があります。


一方、4月安値を下回ることなく、もみ合いから9月には52週移動平均線上を回復。10月には1,924円まで上昇し、ひとつ前の高値である今年2月高値を上回るポジティブな強い動きがみられました。


その結果、13週移動平均線が26週移動平均線、52週移動平均線を上回るゴールデンクロスの強気シグナルを発しています。


そんな状況下、10月30日に発表した26.3期の連結営業利益予想の従来からの下方修正が売り材料となり、翌営業日となった31日の株価は6.5%程度下げて終えました。


ただ、ゴールデンクロスの強気シグナルが点灯したことで、上昇相場入りとなった可能性が高い局面です。売られ過ぎや買われ過ぎをみるRSI(9週ベース)がすでにピークをつけていた点などを考えると、短期的には買われ過ぎによる高値警戒が強かった可能性が高いとみられます。


つまり、今回の下方修正による下落は買われ過ぎを修正する短期の動きにとどまる可能性が高いと想定することができます。


まずは、13週移平均線まで下落が続くことも考えられますが、13週移平均線は上向きで推移しているため、押し目買いをする良いタイミングになるか注目です。


この連載の一覧
【パナソニックHD~決算に弱気反応も上昇継続の局面】
【野村HD~抵抗線を超えられるか】
【サイゼリヤ~週足チャートは一気に好転】
【日経平均~上昇トレンドを維持できるか】
【良品計画~高値からの調整続く】
【三井住友FG②~先高期待続く】
【ANYCOLOR~上場来高値が射程圏】
【東野幸利のチャート道場~マツダ】
【東野幸利のチャート道場~大阪チタニウム】
【東野幸利のチャート道場~NTT】
【東野幸利のチャート道場~J.フロント リテイリング】
【東野幸利のチャート道場~ブリヂストン】
【東野幸利のチャート道場~東京エレクトロン】
【東野幸利のチャート道場~ファナック②】
【東野幸利のチャート道場~ホンダ②】
【東野幸利のチャート道場~ディスコ】
【東野幸利のチャート道場~高島屋②】
【東野幸利のチャート道場~ローム】
【東野幸利のチャート道場~三井E&S②】
【東野幸利のチャート道場~アドバンテスト②】
【東野幸利のチャート道場~住友ファーマ】
【東野幸利のチャート道場~レーザーテック②】
【東野幸利のチャート道場~第一三共②】
【東野幸利のチャート道場~イビデン】
【東野幸利のチャート道場~信越化学工業】
【東野幸利のチャート道場~ニトリHD】
【東野幸利のチャート道場~TDK】
【東野幸利のチャート道場~日経平均】
【東野幸利のチャート道場~フジ・メディアHD】
【東野幸利のチャート道場~三菱地所】
【東野幸利のチャート道場~三菱電機】
【東野幸利のチャート道場~アシックス】
【東野幸利のチャート道場~三菱重工業】
【東野幸利のチャート道場~日産自動車】
【東野幸利のチャート道場~楽天G②】
【東野幸利のチャート道場~メルカリ③】
【東野幸利のチャート道場~トヨタ自動車②】
【東野幸利のチャート道場~ソフトバンクG②】
【東野幸利のチャート道場~スズキ】
【東野幸利のチャート道場~野村マイクロ】
【東野幸利のチャート道場~川崎重工業】
【東野幸利のチャート道場~ディー・エヌ・エー】
【東野幸利のチャート道場~三井E&S】
【東野幸利のチャート道場~三井住友FG】
【東野幸利のチャート道場~京成電鉄】
【東野幸利のチャート道場~日本郵船】
【東野幸利のチャート道場~古河電工】
【東野幸利のチャート道場~パナソニックHD②】
【東野幸利のチャート道場~ファナック】
【東野幸利のチャート道場~楽天G】
【東野幸利のチャート道場~アドバンテスト】
【東野幸利のチャート道場~セブン&アイHD】
【東野幸利のチャート道場~三越伊勢丹HD】
【東野幸利のチャート道場~メルカリ②】
【東野幸利のチャート道場~リコー】
【東野幸利のチャート道場~第一三共】
【東野幸利のチャート道場~さくらインターネット】
【東野幸利のチャート道場~神戸物産②】
【東野幸利のチャート道場~パン・パシフィックHD】
【東野幸利のチャート道場~リクルートHD②】
【東野幸利のチャート道場~日経平均】
【東野幸利のチャート道場~日立建機】
【東野幸利のチャート道場~住友不動産】
【東野幸利のチャート道場~ファーストリテイリング】
【東野幸利のチャート道場~トヨタ自動車】
【東野幸利のチャート道場~村田製作所】
【東野幸利のチャート道場~花王】
【東野幸利のチャート道場~メルカリ】
【東野幸利のチャート道場~ルネサスエレクトロニクス】
【東野幸利のチャート道場~信越化学工業】
【東野幸利のチャート道場~セガサミーHD】
【東野幸利のチャート道場~日経平均】
【東野幸利のチャート道場~ニデック】
【東野幸利のチャート道場~住友金属鉱山】
【東野幸利のチャート道場~安川電機】
【東野幸利のチャート道場~ソニーG】
【東野幸利のチャート道場~西武HD】
【東野幸利のチャート道場~ホンダ】
【東野幸利のチャート道場~リクルートHD】
【東野幸利のチャート道場~ソシオネクスト】
【東野幸利のチャート道場~オリエンタルランド】
【東野幸利のチャート道場~ソフトバンクG】
【東野幸利のチャート道場~三井不動産】
【東野幸利のチャート道場~日東電工】
【東野幸利のチャート道場~TOYO TIRE】
【東野幸利のチャート道場~安川電機】
【東野幸利のチャート道場~野村HD】
【東野幸利のチャート道場~高島屋】
【東野幸利のチャート道場~東京電力HD】
【東野幸利のチャート道場~ドル円】
【東野幸利のチャート道場~神戸物産】
【東野幸利のチャート道場~パナソニックHD】
【東野幸利のチャート道場~任天堂のその後を検証】
【東野幸利のチャート道場~SUBARU】
【東野幸利のチャート道場~武田薬品工業】
【東野幸利のチャート道場~ディスコ】
【東野幸利のチャート道場~任天堂】
【東野幸利のチャート道場~レーザーテック】
【東野幸利のチャート道場~三菱UFJフィナンシャルグループ】

日本株情報部 チーフストラテジスト

東野 幸利

証券会社情報部、大手信託銀行トレーダー、大手銀行などの勤務を経て2006年に入社。 マーケット分析やデリバティブ市場のコンテンツを担当。世界主要指数や個別株を対象にテクニカル・ストラテジーの提案。 日経CNBC「夜エクスプレス」、日経チャンネル「マーケッツのツボ」、テレビ東京「モーニングサテライト」、ラジオ日経(金曜後場マーケットプレス)など 会社四季報プロ500、ダイヤモンド・ザイ、日経マネー、株主手帳など 金融機関向けコラム「相場一点喜怒哀楽」 IFTA国際検定テクニカルアナリスト(MFTA) 日本テクニカルアナリスト協会理事 CFP、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務) DCアドバイザー(確定拠出型年金教育・普及協会)

東野 幸利の別の記事を読む

人気ランキング

人気ランキングを見る

連載

連載を見る

話題のタグ

公式SNSでも最新情報をお届けしております