週明けの日経平均は大幅続落
週明けの日経平均は大幅続落。米国株安を嫌気して寄り付きから300円を超える下落となり、一時は41,900円を割り込む場面がありました。一方、後場のスタート直後に安値をつけた後は、売り圧力が和らいで緩やかながら値を戻す展開。結局、500円を超える下落とはなったものの、終値では42,000円台を維持し、大引けが後場の高値となりました。
東証プライム市場の売買代金は概算で4兆200億円。値上がり銘柄数750に対して、値下がりは806銘柄とやや値下がり優勢でした。業種別では、電気・ガス、医薬品、陸運などが上昇した一方、非鉄金属、証券・商品先物、電気機器などが下落しました。
個別では、主力級ではサンリオ(8136)、東京電力HD(9501)、良品計画(7453)などが上昇。エーザイ(4523)、住友ファーマ(4506)、協和キリン(4151)など薬品株が全般堅調に推移しました。足元の動きが良い大阪チタニウム(5726)が騰勢を強める展開となりました。一方、ソフトバンクG(9984)が大幅安となり、古河電工(5801)、フジクラ(5803)などの電線大手3社が大幅安となりました。下方修正を発表したトリケミカル(4369)がストップ安まで売り込まれました。
週足でみる大阪チタニウムの株価推移
図表は、大阪チタニウム(5726)の2022年7月中旬ごろからの週足のローソク足に加え、13週・26週・52週移動平均線です。下位は、売られ過ぎや買われ過ぎなどをみるオシレータ系指標で代表的な相対力指数のRSI(9週ベース)の推移です。
大局的な流れとしては、2022年11月高値(4,850円)からの長い下降相場は今年4月につけた年初来安値(1,293円)を起点に強い反発局面を迎えています。
これまでの長い下降相場の途中で生じた反発とは違い、連続陽線を形成しながら上昇幅が拡大する展開となっています。この上昇幅の拡大によって移動平均線の動きや傾きに変化が生じています。
短期の13週移動平均線が下げ止まり、上向きに変化しました。少し遅れて中期の26週移動平均線が上向きに変化しました。そして、週明けの上昇によって、長期の52週移動平均線が上向きに変化しています。週間終値ベースで上向きに変化できれば、短期・中期・長期移動平均線のすべてが上向きに変化することになります。
今週はさらに短期の13週移動平均線が中期の26週移動平均線を下から上抜けるゴールデンクロスとなっています。これも週間終値ベースでゴールデンクロスとなれば、短期的な強気シグナルが点灯します。
次は、短期の13週移動平均線が長期の52週移動平均線を下から上抜けるゴールデンクロスに期待。さらに、今度は中期の26週移動平均線が長期の52週移動平均線を下から上抜けるゴールデンクロスが発生すれば、下降相場では上から「52週移動平均線→26週移動平均線→13週移動平均線」の順番だったのが、逆に上から「13週移動平均線→26週移動平均線→52週移動平均線」の順番に変化することになるでしょう。
これは下降相場から上昇相場に転じたこを意味する変化であり、当面は上昇幅を一段と拡大する見立てができることになります。
戻りのターゲットを試算する有名なフィボナッチリトレースメントという方法があります。38.2%、50.0%、61.8%などのフィボナッチ比率に基づて戻りの目安を予想することが可能です。
図表では、2022年11月高値(4,850円)から今年4月につけた年初来安値(1,293円)までの下落幅に対する50%戻し(半値戻し)が3,071円程度になり、61.8%戻しが3,491円となります。概ね下降相場の中でつけてきた戻り高値に近いことが確認できます。
特に、61.8%戻しの3,491円は下降相場の中でマドを開けた水準に近いこともあり、年末に向けての重要な戻りのターゲットになることが予想されます。