週明けの日経平均は大幅に3日続伸
週明けの日経平均は大幅に3日続伸。7日に石破首相が自民党総裁を辞任すると発表。先週末5日の米国株は8月雇用統計を嫌気して下落しましたが、政治の変化に対する期待が先行して400円超上昇して始まりました。ただ、43,800円台に乗せたところで買いが一巡。8月につけた史上最高値を上値で意識し、後場は動意に乏しい展開となりました。一方、相場全体の動向を示すTOPIX(東証株価指数)は史上最高値を更新して終えました。
東証プライム市場の売買代金は概算で4兆4,900億円。値上がり銘柄数1258に対して、値下がりは289銘柄と、値上がり優勢でした。全業種が上昇。その他製品、不動産、非鉄金属などの動きが良かった一方、パルプ・紙、サービス、空運などが小幅な上昇にとどまりました。
個別では、自民党総裁選では防衛力強化がテーマになるとの見方から、IHI(7013)や三菱重工(7011)が大幅上昇。主力では任天堂(7974)や東電HD(9501)も堅調でした。弱めの雇用統計を受けて米長期金利が低下し、三井不動産(8801)や三菱地所(8802)など不動産株が軒並み高。証券会社が投資判断を引き上げたJX金属(5016)やマツダ(7261)が急伸しました。一方、サンリオ(8136)、良品計画(7453)、リクルートHD(6098)など成長期待の高い銘柄に逆行安となるものが散見されました。
週足でみるマツダの株価推移
図表は、マツダ(7261)の2022年1月中旬ごろからの週足のローソク足に加え、13週・26週・52週移動平均線です。下位は、売られ過ぎや買われ過ぎなどをみるオシレータ系指標で代表的な相対力指数のRSI(9週ベース)の推移です。
大局的な流れとしては、2024年2月高値(1,961円)を起点に長い下降相場が続いています。ただ、今年4月に生じた日本株全体の急落時に大きく下落し、長い下降相場における最後のダメ押しとなった可能性が高いと判断できます。
現在は、急落時につけた4月の年初来安値(723円)からの反発局面にありますが、先週は1,123円まで上昇し、急落直前につけた3月の戻り高値(1,115円)を上回る展開となりました。
基本的に、下降相場は高値を切り下げながら推移するパターンであるため、直前の高値を上回ったことで、高値を切り下げるリズムが崩れたことになります。
高値を切り下げるリズムが崩れたとういことは、高値を切り上げるリズムに変化した可能性が高いです。つまり、長い下降相場から上昇相場に変化したシグナルと受け止めることができそうです。
直前の高値を水平に右に延長した線を抵抗線と呼びますが、この場合は3月の戻り高値(1,115円)の抵抗線①を上回ったことで、当面は上昇が継続することが予想されます。
週初の上昇は、政治の変化に対する期待が日本株全体に波及した影響も大きいですが、先週の段階で抵抗線①を突破していたことも7%高という大幅高につながる要因になったとみられます。
RSI(9週ベース)の上昇は今週も続いており、買われ過ぎの水準まで上昇することが見込まれます。ただ、ここで買われ過ぎによる売りの判断をしてしまうと、上昇相場のトレンドに乗れなくなることがあるかもしれません。一般的にトレンドが変化する際には、瞬間的に売られ過ぎや買われ過ぎの水準まで上昇や低下が生じることがありますが、トレンド変化の初動の勢いを示していると考えることが重要です。
さて、抵抗線①を突破したことで、次の上値の節目やメドは抵抗線②となります。ただ、これは過去の値動きで生じた安値を基準に考えられるメドです。
例えば、2024年2月高値から年初来安値までの下落幅に対し、半値戻しとなる1340円どころなども上値の節目やメドになりえる重要なポイントになるでしょう。