週明けの日経平均は続落
週明けの日経平均は続落。中国との関係悪化に対する懸念が高まる展開となりました。小安く始まった後、早々に下げ幅を500円超に拡大し、5万円を割り込む場面がありました。一方、後場はじわじわと下げ幅を縮小。終盤には再びプラス圏に浮上する場面もあり、小幅な下落で取引を終えました。
東証プライム市場の売買代金は概算で6兆1,800億円。値上がり銘柄数618に対し、値下がり932銘柄と、値下がり優位となりました。業種別では、非鉄金属、電気・ガス、情報・通信などが上昇した一方、証券・商品先物、空運、小売などが下落しました。
個別では、前営業日にストップ安となったキオクシアHD(285A)が11.4%高。アドバンテスト(6857)、ソフトバンクG(9984)など大型グロース株が大幅上昇し、上方修正や株主還元強化を発表した三井住友FG(8316)が4%を超える上昇となりました。
一方、1Q決算短信や半期の報告書に関して、監査法人から結論を表明しない旨の期中レビュー報告書を受領したと発表したニデック(6594)が急落。インバウンド関連の代表銘柄である三越伊勢丹(3099)が11.3%安となったほか、中国市場で業績を拡大させているファーストリテイリング(9983)、良品計画(7453)、サンリオ(8136)が大幅安。レジャー大手のOLC(4661)や化粧品大手の資生堂(4911)なども派手に下げる展開となりました。
週足でみる資生堂の株価推移
図表は、資生堂(4911)の2023年3月頃からの週足のローソク足に加え、13週・26週・52週移動平均線です。下位は、売られ過ぎや買われ過ぎ、勢いなどをみるオシレータ系指標で代表的な相対力指数のRSI(9週ベース)の推移です。

大局的な流れでみると、2023年6月高値(7,160円)を起点として、二段下げの下降トレンドが継続しているという見方となります。
一方、今年4月安値(2,196円)からは横ばいで推移し、一段安は現時点では回避できています。横ばい(もみ合い)が長く続いたことで、13週移動平均線、26週移動平均線、52週移動平均線の推移が収れんしており、上か下かに放れるエネルギーが蓄積されているようにみえます。
足元では、株価が52週移動平均線を上回る推移となり、上放れる兆候と判断できます。しかし、週初の下落で52週移動平均線を一気に下回り、収れんする価格帯を下回る展開となりました。早期に52週移動平均線を上回る推移まで回復できると、今週の下落はダマシに終わる可能性が高くなります。
一方、戻りが鈍い状態が続く場合、13週移動平均線などの短期線が下げに転じることで、株価の上値抵抗となり、押し下げることが考えられます。その場合、もみ合いから下放れとなりかねず、下降トレンドが一段と水準を切り上げる展開が予想されます。
早期に52週移動平均線上を回復し、今年3月の戻り高値(2,968円)を上回ることができれば、下降トレンドが終了し、上昇トレンドに移行した可能性が一歩高まることになるでしょう。
RSI(9週)は昨年終盤から下値水準を切り上げる動きを維持しています。これは、下降トレンドの中でも、下落モメンタムが減速し、上昇モメンタムが次第に強くなっていることを示唆しています。
週初の下落で50.3%まで低下しましたが、強気局面とされる50%以上を保っており、52週移動平均線上への早期回復の可能性は残っていることになります。
逆に、週間の終値で50%を下回って終えた場合、もみ合いから下放れの先行シグナルになることが考えられ、注意が必要となります。



