中国株への投資を始めてみたいけど、どんな銘柄に投資していいか分からない。香港、上海、深センの取引所には合わせて8000近くの銘柄が上場しているので迷うのは当然です。そんな場合は、「中国株二季報」を活用して銘柄を探してみるのがいいでしょう。中国株二季報には、中国株を取引するに当たっての基本情報から、中国市場の概況、中国の業界動向、個別銘柄の情報などがぎっしりと詰まっています。このシリーズでは、中国株二季報を利用した中国株の銘柄選びについて紹介していきます。
▼参考
中国株二季報で銘柄を探すにはどうしたらいいか?
中国株二季報で個別銘柄を探す際、索引のページを使って「市場・属性別」「50音順」「アルファベット順」から銘柄を探すことができます。「市場・属性別」は、香港市場に上場する銘柄の場合は「ハンセン指数採用銘柄」「H株」といった属性分類、中国本土市場に上場する銘柄は「上海A株」「深センA株」といった市場分類です。
「50音順」では、中国語社名の漢字音読み、英語社名のカタカナ読みで調べることができるようになっています。
例えば、パソコンの世界最大手であるレノボグループ(聯想集団有限公司:00992)であれば、漢字社名の音読みである「レンソウシュウダン」、英語社名のカタカナ読みである「レノボグループ」といった感じで、どちらも調べることができます。英語社名だけが分かる場合は「アルファベット順」でも調べることができるので、もし銘柄コードが分からない場合は索引を使って探してみてください。
銘柄コードを使って銘柄を探すのが便利
もし銘柄コードが分かっているのであれば、銘柄コードで探したほうが圧倒的に便利です。中国株二季報では、香港市場と中国本土市場に上場している銘柄を、銘柄コード順に掲載しているので、ページ順にめくっていけばお目当ての銘柄にたどり着くことができます。
中国株は銘柄コードで探すと便利 出所:中国株二季報2025年春号
銘柄コードは香港市場の場合は5桁、本土市場は6桁です。香港市場のメインボード・GEMに上場している通常銘柄は5桁のうち5桁目は0となっています。これは、もともと4桁だった銘柄コードが、上場企業の増加に対応して後から5桁に変更された経緯があるためで、現在5桁目は人民元建て証券にのみ使われています。4桁目が8から始まっている銘柄は中小型株市場であるGEMに上場する銘柄です。GEM銘柄は上場ルールや決算発表のルールが異なるので、「4桁目が8から始まるのはGEM銘柄」と覚えておいたほうがいいでしょう。
出所:香港証券取引所
なお、日本ではもともと業種によって銘柄柄コードが決まっていたので、銘柄コードを見ればある程度業種の見当がつきますが、香港市場では業種による分類はされていないので、銘柄コードを見てもどんな会社か見当がつきません。
長江和記実業(00001)やHSBC(00005)のように銘柄コードが若い銘柄は、古くから上場しているケースが多いのですが、2021年に上場したAI事業を手掛けるセンスタイム(00020)、2024年に上場した家電大手の美的集団(00300)のように、上場廃止で欠番になった銘柄コードを再利用するケースもあります。
本土市場は市場区分ごとに銘柄コードが決まっている
一方、本土市場の銘柄コードのルールは以下のようになっています。銘柄コードは6桁で頭の1桁、もしくは2桁で市場分類を区別しています。
出所:深セン証券取引所、上海証券取引所
深セン市場の場合は、A株メインボードが0から始まる6桁、創業板銘柄が3から始まる6桁、B株が2から始まる6桁。上海市場は、A株メインボードが6から始まる6桁、科創業板銘柄が68から始まる6桁、B株が9から始まる6桁となっています。このルールを知っていれば、6桁の銘柄コードを見ただけで、どの市場区分の銘柄かをすぐに判断することができます。
なお、深セン証券取引所の創業板銘柄、上海証券取引所の科創板銘柄は、日本の個人投資家が直接投資することはできないため、中国株二季報には掲載していません。深セン証券取引所の創業板には車載電池の世界最大手・寧徳時代新能源科技(CATL:300750)などが上場しています。
中国株二季報で銘柄を探すに当たって、最低限こうした銘柄コードのルールについては覚えておくといいでしょう。