中国株への投資を始めてみたいけど、どんな銘柄に投資していいか分からない。そんな場合は、身近にある上場企業に投資してみるというのも一つの手です。そこで今回は、意外と身近にある中国株というテーマで、身近にある中国株の銘柄を紹介したいと思います。日本でも意外と中国株銘柄の商品やサービスを探すことができます。今回は前回に続き、ファミリー型ディスカウントストア「MEGAドン・キホーテ」の店内で中国株銘柄を探してみました。
洽洽食品のヒマワリの種
洽洽食品のヒマワリの種「香瓜子」
まず店内で見つけたのは、洽洽食品(チャチャ・フード:002557)のヒマワリの種です。日本だとヒマワリの種は、ハムスターや鳥のエサというイメージがあるためか、「え?ヒマワリの種って食べられるの?」と思った方もいると思います。しかし、ヒマワリの種は海外では非常にポピュラーな食べ物で、中国でもヒマワリの種をおやつやおつまみとして食べます。中国人の家庭を訪問すると、よくお茶請けとして出されます。
殻付きのヒマワリの種は食べるのにコツがあって、筆者も中国留学時代には、留学生同士でどちらが速くヒマワリの種を食べられるか、よく競争したものです。一度食べ始めると無意識に次のヒマワリの種に手が伸び、手が止まらなくなるので注意が必要です(しかも意外と高カロリー)。
洽洽食品は、そんなヒマワリの種を中心としたナッツ系菓子を製造・販売している食品会社です。洽洽食品は2001年に安徽省で創業し、創業10周年に当たる2011年に深セン証券取引所に上場。世界約50カ国・地域で販売し、年間20億パック以上が食べられています。ヒマワリの種だけでも、ベーシックな塩味から五香味(八角や山椒など5種類の香辛料で味付けしたもの)、中国国内では、コーヒー味、キャラメル味、チーズ味、ハチミツ味など、さまざまな種類が売られています。
さまざまな味のヒマワリの種が売られている 出所:洽洽食品のホームページ
ヒマワリの種だけではなく、少し食べにくいですが、スイカの種やカボチャの種も売られています。ナッツ系ではアーモンド、カシューナッツ、ブルーベリー、ピーカンナッツ、ピスタチオ、クルミ、マカダミアナッツなどの商品があり、健康志向の高まりとともに販売を伸ばしています。
康師傅控股の即席麺
康師傅の袋麺「紅焼牛肉麺」
次に見つけたのは康師傅控股(ティンイー:00322)の即席麺(インスタントラーメン)です。写真の袋麺は、中国で定番のラーメン「紅焼牛肉麺(醤油ベースの牛肉麺)」です。筆者も中国留学時代には本当によく食べていました。その後、日清のカップヌードルが中国で出回り始めてからは、日清に乗り換えましたが・・・。
「康師傅」は台湾系の食品メーカーで、天津を拠点に即席麺や飲料、菓子類の製造・販売を手掛けている会社です。康師傅が中国で即席麺の生産を開始したのは1992年。改革開放の波に乗ろうと早い時期から中国に進出していますが、中国ではもともと食用油の販売を手掛けていました。実は同じ台湾系のライバル、統一企業中国(00220)や中国旺旺(00151)も同じ年に中国に進出しています。
世界ラーメン協会の資料によると、中国の即席麺の年間消費量は世界最大の約440億食。日本の7.5倍の市場規模があります。康師傅はその巨大な中国の即席麺市場で46%というダントツのシェアを誇っています(2021年販売量ベース、ニールセン調べ)。
出所:康師傅のホームページ
康師傅は、実は日本とのつながりも深く、「サッポロ一番」で知られるサンヨー食品が1999年から資本参加しています(発行済み株式の33.4%を保有)。また早稲田大学とも提携し、産学連携を図るとともに、奨学金制度を創設して日中の共同人材育成を支援。康師傅も定期的に社員を早稲田に留学させたりしています。
まとめ:今回見つけた身近な中国株銘柄
今回見つけた身近な中国株銘柄は洽洽食品(002557)と康師傅控股(00322)の2銘柄で、このうち洽洽食品は深セン証券取引所、康師傅控股は香港証券取引所に上場しています。
【安徽省拠点の菓子メーカー】「洽洽(チャチャ)」ブランドで各種菓子の製造・販売を手掛ける。主力製品はヒマワリの種「香瓜子」、スイカの種「小而香」、ナッツ菓子「怪U味」、堅果菓子「撞果仁」など。安徽省合肥や黒龍江省ハルビン、内モンゴル自治区包頭など全国各地に工場を置き、19年にはタイ工場も稼働。世界約50カ国・地域に販路を持つ。
【台湾系の食品大手】「康師傅」ブランドを軸に中国で即席麺や飲料、菓子類の製造・販売を手掛ける。22年6月中間期の販売量ベースの国内シェアは即席麺が45%、茶飲料(ミルクティー含む)が42%でいずれもトップ。果汁飲料が18%で2位、ボトルウオーターが6%だった(ニールセン調べ)。21年末時点の生産ラインは570本、営業所は340カ所、倉庫は341カ所。12年に米ペプシコから中国のソフトドリンク事業を取得。