中国株への投資を始めてみたいけど、どんな銘柄に投資していいか分からない。香港、上海、深センの取引所には合わせて8000近くの銘柄が上場しているので迷うのは当然です。そんな場合は、「中国株二季報」を活用して銘柄を探してみるのがいいでしょう。中国株二季報には、中国株を取引するに当たっての基本情報から、中国市場の概況、中国の業界動向、個別銘柄の情報などがぎっしりと詰まっています。このシリーズでは、中国株二季報を利用した中国株の銘柄選びについて紹介していきます。
▼参考
個別銘柄の基本データは最上部と最下部に掲載
中国株二季報の個別銘柄ページでは、ページの最上部と最下部に基本データを掲載しています。まずはどこにどんな情報が載っているのか確認しておきましょう。
出所:中国株二季報2025年春号
個別銘柄ページ最上部のデータを見てみます。最上部には「銘柄コード」や「業種」「社名」「指数構成銘柄」「その他上場」などの情報を掲載しています。
出所:中国株二季報本書の見方
銘柄コードは、香港は5桁、深センAと上海Aは6桁です。銘柄コード順になっているので、銘柄コードが分かっていれば調べるのは簡単です。業種について中国株二季報では全銘柄を32のいずれかの業種に区分しています。
社名については、右上に中国語の正式社名、その下に英語の正式社名を記載しています。ページ右上の太字は正式社名を簡略化した社名、その下は英語社名をカタカナ表記した通称です。
中国株の社名はよく「漢字ばかりで読み方が分からない」という意見をよく聞きます。そのため、カタカナ表記の通称を入れることで、社名を読みやすくしています。例えば中国株を代表する人気銘柄のインターネットサービス大手の「テンセント」は、漢字で書くと「騰訊控股」です。音読みすると「とうしんこうこ」となりますが、「とうしんこうこ=テンセント」とピンと思い浮かぶ人は少数派だと思います。
一方で銘柄によっては、漢字を音読みした方が伝わりやすい銘柄もあります。例えば英語社名の部分が英語ではなく、中国語の音声表記であるピンインが使われているようなケースです。例えば中国のスポーツ用品大手、李寧(02331)です。英語社名は「Li Ning Co.,Ltd.」ですが、カタカナ表記では「リーニン」となります。最近では「リーニン」でも通じるケースも増えてきていますが、中国語学習者でない限りイントネーションまでは正しく伝えられないので、漢字社名を音読みした「りねい」の方が伝えやすいかもしれません。
同じように保険大手の中国平安保険(02318:Ping An Insurance)、乳業大手の中国蒙牛乳業(02319:China Mengniu Dairy)も、それぞれ「ちゅうごく・へいあん・ほけん」、「ちゅうごく・もうぎゅう・にゅうぎょう」と読んだ方が伝えやすいでしょう。
どの指数に採用されているのかもチェックしておこう
指数構成銘柄については、「ハンセン指数」「中国企業指数」「レッドチップ指数」の各指数に採用されている銘柄の場合に記載しています。特にハンセン指数は香港市場を代表する優良銘柄で構成されているため、初めて中国株に投資する場合にはハンセン指数の構成銘柄から選ぶと安心です。各指数は重複して選ばれることもあり、銘柄の入れ替えがあった場合には株価が大きく動くこともあるため注意が必要です。
「その他上場」については、重複上場している市場がある場合に記載しています。H株銘柄の中にはA株市場に重複上場している銘柄が多く、中にはチェンミン・ペーパー(01812/000488/200488)のように香港H株、深センA株、深センB株と3市場に重複上場しているようなケースもあります。新興電気自動車(EV)メーカーの蔚来集団(09866)などは香港、米国、シンガポールの3市場に上場しています。どこの市場に上場しているかによって、会社がどの市場を重視しているのかを知ることができます。
最後に銘柄コードの横にあるQRコードは、該当銘柄の最新株価へのリンクとなっています。中国株二季報は年2回の出版なので、どうしても最新の株価まではカバーできません。投資するに当たっては、必ず最新の株価を確認しておきましょう。