気になるテーマ解説

マイナス金利解除が決定 マーケットへの影響は?

3月19日に、マイナス金利政策が解除されました。導入されたのは2016年1月なので、約8年ごしの解除となります。ニュースでも大きく取り上げられ、しばらくはあれこれと意見が飛び交うかもしれません。不安を煽るような話も多くなると考えられますので、変にそそのかされないよう注意したいところですね。

 

出所:日本銀行

普段はニュースで事実を知ることが多いと思いますが、会合結果は日銀ホームページ上にアップされます。生の文面を実際に見てみると、報道とは違った印象を持つかもしれません。


今回の会合を受けたマーケット反応

事前の報道では、マイナス金利の解除、イールド・カーブ・コントロール(長短金利操作、YCC)の撤廃、ETFとJ-REITの買い入れ終了が伝わっていました。ここまで詳細に報道されていたので、報道機関を通じて日銀による事前周知が行われていたと考えるのが妥当です。


いざ公表された資料では「現時点の経済・物価見通しを前提にすれば、当面、緩和的な金融環境が継続すると考えている」とコメントしています。これからどんどん引き締めていくというよりは、まずは大規模緩和はやめましたという内容ですね。


ちなみに、結果発表後のマーケットの反応は・・・

<ドル円チャート 5分足>

 

出所:トレーダーズ・ウェブFX



<日経平均 日中足>

 

出所:トレーダーズ・ウェブ


このように反応しました。ドル円は円安方向に、日経平均も後場に入ってプラス転換です。マーケットからすればすでに知っていた話となりますし、懸念されていたほどの引き締め方向でもないという見方となりました。結果的に金融イベントは無事通過となったので、海外要因を考慮しなければ株価が買われやすい環境は続くかもしれません。


金融機関の動向は?

マイナス金利解除が発表されてからすぐ、大手銀行が普通預金の金利引き上げを検討すると報じられ、19日には三菱UFJ銀行と三井住友銀行が普通預金金利を引き上げると発表しました。両行とも年率0.001%→0.02%です。20倍の金利となるわけですが、100万円を預けていても税引き前200円の利息(従来は10円)です。


あまりにもとんとん拍子なので事前に準備されていた気もしますが、マイナス金利解除といっても今後政策金利が1%、2%と上がってきたときに初めて普通預金にもまともな金利がつくと考えられるので、すぐ普段の生活が劇的に変わるということはなさそうです。


世間で話題となっている住宅ローンの変動金利ですが、マイナス金利が解除されたからと言ってすぐに基準金利が上がるかというと、そうではないとの見方が多いです。現在、変動金利の基準金利は年率2.475%で、そこから各銀行のキャンペーンなどによって適用金利は1%以下になります。


実はマイナス金利が導入される2016年より前から基準金利は2.475%で推移しており、現在もそれより下がったことはありません。言い換えれば、政策金利が-0.1%から0%~0.1%になったとしても、それに連動して基準金利が上がる可能性は低いということですね。


 出所:住宅金融支援機構 民間金融機関の住宅ローン金利推移(変動金利等)


とはいっても、いずれは政策金利が0.1%以上になると思われます。なので変動金利型の住宅ローンを借りている人については、今は金利が上昇しても支払いを続けられるように対策する期間ととらえ、しっかりと準備したいところです。


マイナス金利を含め、大規模緩和が終了したというのは教科書に載るレベルの歴史的な出来事です。しばらく話題は尽きないと思いますし、じゃあ次はいつ金利を引き上げるの?という議論も活発になるでしょう。4月の金融政策決定会合では経済・物価情勢の展望(展望レポート)が公表されますので、まずは日銀による今後の見通しはどうなのか、注目したいところです。


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日本株情報部 アナリスト

畑尾 悟

2014年に国内証券会社へ入社後、リテール営業部に在籍。個人顧客向けにコンサルティング営業に携わり、国内証券会社を経て2020年に入社。「トレーダーズ・ウェブ」向けなどに、個別銘柄を中心としたニュース配信を担当。 AFP IFTA国際検定テクニカルアナリスト(CMTA)

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