気になるテーマ解説

来年のNISA枠はどうする?

2024年は残り2カ月ほどとなり、今年も相場は波乱万丈。日経平均が史上最高値を付け、史上最大の下げ幅と上げ幅を記録するというマーケットの歴史に残る出来事も起こりました。


今年から新NISAが始まり、投資を始めた人も多いでしょう。今年前半は株価が堅調に推移して「投資ってすごい」と思ったのもつかの間、暴落が発生。相場の厳しさを痛感した人は少なくないと思います。長期投資には鋼の精神が必要です。来年、再来年がどのような株価推移になるかは誰にもわかりませんが、ぶれないスタンスで臨みたいですね。


なお、来年になれば新しくNISAの投資枠が設けられます。つみたて投資枠は120万円、成長投資枠は240万円、年間で合計360万円ですね。そろそろ来年は何に投資をしようか?と考える人もいると思われますので、今年のうちに注目されそうな銘柄を考えてみようと思います。


NISAに興味を持った理由おさらい

新NISAが始まるにあたって、興味を持っている理由で最も多かったのが「配当金、分配金が非課税」とのこと。これは2024年4月16日に日本証券業協会が発表したアンケート結果によるものです。20歳以上~70歳未満のそれぞれの年齢層においてもこの理由が最も多かったようで、2024年にNISAで買われた銘柄もその理由に沿ったものとなりました。


出所:日本証券業協会 NISA口座の開設・利用状況


25年も配当株が人気か


24年は配当株の人気が非常に強く、NISAで買われた銘柄の上位は配当利回りに魅力がある大型株でした。今年2月と最近のNISA人気銘柄を比べてみると、下の図のようなランキングとなっています。


出所:対面・ネット10社は日本経済新聞報道より引用

SBI証券および楽天証券はHP参照


今も昔もNTTが断トツの人気となりました。株式分割により購入資金が少額で済むこと、株価下落により配当利回りが上昇することも継続的なNISA買いにつながっていそうですね。トヨタや三菱UFJなども引き続き人気です。最近の分では三菱重工業がランクインしており、生成AIや防衛などへの注目度がいっそう高まったこと、4月の株式分割で買いやすくなったことなどが理由として考えられます。


業績が安定的に成長している、毎年増配である、累進配当(減配しない)などの企業は、インカムゲイン(配当・利息などによるリターン)がある程度が約束されています。会社が倒産するレベルの非常事態とならない限り、投資家による注目が継続しやすいといえます。


また、株価が下げれば配当利回りは上昇するため、今年にランクインした好配当かつ連続増配・累進配当などの企業は来年もランキング上位に君臨しそうですね。もちろん企業は株主還元するだけの存在ではありませんが、今後還元を強化することで順位を上げてくるのはどの会社か、推測してみるのも面白そうです。


この連載の一覧
気を付けたい権利取りのポイント
【気になるテーマ解説】DX銘柄も生成AI活用が必須に
来年のNISA枠はどうする?
投資促進の一方で詐欺被害も多発
市場予想との付き合い方
政策保有株の解消良し悪し
「地面師たち」が大ヒット 厳しい日本の土地事情
7分の1は空き家の日本
QUOカードはなぜ人気なのか
住宅ローン人気銀行の動向まとめ
米大統領選、どこに恩恵?
中小型株への資金回帰が鮮明に
国際会計基準のルール変更へ 営業利益が分かりやすく?
新紙幣の発行開始でキャッシュレスが進む?
次世代自動車「SDV」とは?
マンション価格下落も依然高い そういえば晴海フラッグは?
プロが注目する配当株は?
出生率が過去最低を更新 止まらない少子高齢化
日本の長期金利が1%台に 今後の影響は?
日経平均と半導体株の関係
株式分割は本当に好材料なのか
株価は割高なのか? 指標を参考にしてみる
新興市場をざっくり振り返ってみる
金が人気の背景とは?
東京都の予算
マイナス金利解除が決定 マーケットへの影響は?
長期投資は我慢比べ
アクティブETFのその後
シリコンアイランド九州は復活か
政策保有株式の売却が進む(2)
決算プレーと自動売買
配当株投資の怖いところ
インターネット広告に試練 Cookie規制とは?
ロボアドバイザーの先駆け ウェルスナビの実力は?
優秀なインデックスファンドとは?
辰年は上がりやすい?
新NISA 注意したい配当金と分配金
新NISA 流行の積み立てと為替リスク
コスト最安の日本株アクティブファンドが登場
NTTが推進するIOWN構想とは?
政策保有株式の売却が進む
歯の健康は全身の健康 病気は未然に防ぐ時代へ
MSワラントの恐怖
配当金が保険料の賦課対象に?
今年は暖冬の予報 マーケットへの影響は?
投信の超低コスト競争に拍車
建設業界と2024年問題
積み立て投資との相性良し悪し
住宅ローンの借り入れは計画的に
東証スタンダード市場の選択申請が増加中
長期金利と株価の関係はよく言われるが・・・
国内初のアクティブETFが誕生
魚が高すぎて買えません
配当方針いろいろあります
太陽光発電は自家消費へ
メタの新SNS「Threads」使ってみた
電池の覇権、リチウムの次は亜鉛?
SENSEX指数が最高値更新 インドってどんな国?
訪日旅行者は今後も伸びる?
半導体製造装置 1台おいくら?
変動金利型住宅ローンが実質マイナス金利へ
話題沸騰のダイヤモンド半導体とは?
著名投資家の投資候補を考察
デジタル給与が解禁! メリット・デメリットは?
私の銀行は大丈夫?
全人代が開幕 いまさら聞けない日本の中国依存度
金利上昇の懸念はあるが省エネ住宅は拡大へ
【気になるテーマ解説】 健康だけじゃない? アミノ酸の可能性
なんでも材料視する株式市場
多発する客テロ AIカメラに注目集まる
会話は人そのもの 話題の「ChatGPT」とは?
「超」高齢化社会の日本
金利に翻弄される銀行 金利の影響と債券の仕組み
出生数80万人割れへ 子育て関連株の行方は・・・
何かと注目される親子上場
【気になるテーマ解説】市場規模は無限大? 壮大な宇宙産業
【気になるテーマ解説】レベル4解禁! ドローンの普及で何が変わるのか
【気になるテーマ解説】成功率3万分の1? 新薬開発の過酷な道のり
【気になるテーマ解説】パワー半導体ってなんだ?
【気になるテーマ解説】「Web3.0」ってなんだ?

日本株情報部 アナリスト

畑尾 悟

2014年に国内証券会社へ入社後、リテール営業部に在籍。個人顧客向けにコンサルティング営業に携わり、国内証券会社を経て2020年に入社。「トレーダーズ・ウェブ」向けなどに、個別銘柄を中心としたニュース配信を担当。 AFP IFTA国際検定テクニカルアナリスト(CMTA)

畑尾 悟の別の記事を読む

人気ランキング

人気ランキングを見る

連載

連載を見る

話題のタグ

公式SNSでも最新情報をお届けしております