気になるテーマ解説

米大統領選、どこに恩恵?

7月31日に日銀金融政策決定会合の結果が公表され、政策金利の引き上げが決定しました。日本全体で見れば景気が良くなっているという実感がない・・・という声も多いなか、実生活への今後の影響が気になるところです。


それはそれとして、今年もっとも注目されているイベントと言えば、米国の大統領選挙です。世界最大の経済国のトップを決めるということで、誰が当選するかによって実現される政策も変わってきます。株式市場だけでなく、あらゆることに対して影響があると思われ、11月まではさまざまな思惑が交錯しそうですね。


ニュースを見ているとトランプ氏の超保守的なイメージが先行してしまいますが、今回の大統領選において、各候補はどのような公約を掲げているのでしょうか。また、それの恩恵が期待できそうな分野を考えてみようと思います。


今回の候補者

まず、アメリカの政治は二大政党制がとられており、現大統領のバイデン氏が所属する民主党、もう一方に共和党があります。政党が多数存在する日本とは違ったシステムですね。大雑把に分けると、民主党はリベラル派、共和党は保守派となります。ちなみに、共和党は象、民主党はロバがシンボルマークです。


今回の大統領選では、民主党からカマラ・ハリス副大統領が立候補。バイデン氏が諸事情によって撤退したため、ハリス氏が急きょ参戦することとなりました。共和党からは元大統領のドナルド・トランプ氏が立候補しています。その都度、どちらが優勢・劣勢になっていると報じられますが、事前予想に反して結果が逆転することもあります。



両党の公約は?

国民の支持層が違えば、思想も違う、両党が掲げる公約は大体が対になる内容です。どちらが正しいということは言えず、両党の政策にはメリットデメリットがそれぞれ存在しています。


<公約の一例>

出所:各報道などを基に弊社作成


両党の公約はこれら以外にもありますが、抜粋した内容を見るだけでも主張が逆になっているものが多いですね。トランプ氏の主張がニュースで見ると分かるように、共和党はどちらかというと米国ファーストの政策が多いです。方針としては小さな政府なので、介入は極力抑えて市場に任せる流れとなります。


一方、民主党の公約は寛容的、良く言えば新しいことを取り入れていこうというスタンスです。方針は大きな政府なので、社会保障などを積極的に行うことで国民生活をを安定させようという方向で進みます。民主党候補がハリス氏に変わったので、これまでの公約に対しどのような修正があるか注目されます。


何の分野が恩恵を受ける?

このところのマーケットの反応を見ると、トランプ氏が優勢になってきたところでは原油関連や防衛関連などの銘柄が上昇しました。米国の方針は日本も大きく影響を受けるので、どちらが政権を取るかによって今後買われやすい分野も変わってくると思われます。



各党の公約や主張を基に、業種やテーマの買われやすさを考えてみました。筆者の先入観も交じっているため、参考までに見てください。大統領選に関する新しい話題が出た時、どのような銘柄が上下しているのか日々見ていると、なんとなく作戦が思い浮かんでくるかもしれません。


もちろん、大統領選後は公約になかった新たな政策が出ることも考えられます。世界的に情勢が不安定なこと、世論の変化などによって当初の方針がガラッと変わるかもしれません。常にアンテナを張って、恩恵がありそうな銘柄を仕込めるよう準備しておきたいところです。


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日本株情報部 アナリスト

畑尾 悟

2014年に国内証券会社へ入社後、リテール営業部に在籍。個人顧客向けにコンサルティング営業に携わり、国内証券会社を経て2020年に入社。「トレーダーズ・ウェブ」向けなどに、個別銘柄を中心としたニュース配信を担当。 AFP IFTA国際検定テクニカルアナリスト(CMTA)

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