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神戸で市立中学校の部活動が終了 民間企業に求められることは?

先日、衝撃的なニュースがありました。兵庫県神戸市の公立中学校において、2026年度から部活動が終了するとのことです。終了後は地域の団体によるクラブ活動へ全面移行する方針とのことで、これからの活動は学校に関係なくやりたい人が集まることになるようです。


少子化により学校単位での部活動が難しいことや、教員の長時間労働が問題となっていることが背景のようです。教育関連の仕組みはなかなか変わることがない印象だったため、素直に驚きを隠せません。


これまでの部活動は?


筆者の年代からすると、中学校で部活に入らないという選択肢はありませんでした。ほとんどの生徒が運動部、文化部何かしらに所属し、運動部なら朝練習のため早く登校するなど、それが当たり前という時代です。


正直なところ筆者はあまり部活動に熱心ではなかったため、よくサボっていました。朝早くから夕方まで、休みの日も返上して何で部活をしなければならないんだ?と不満を持ちながら3年間を過ごした人は少なくないはずです。それでも、みながやっているから仕方なく・・・という感じだと思います。


部活動に対する認識


今回のニュースは時代の移り変わりがよくわかるものでした。さまざまな媒体が実施している人気部活動ランキングでは、1位が「帰宅部」となる集計も少なくありません。昨今は自主性が尊重されつつあり、子どももそういった環境で育つと「やりたい・やりたくない」の意思がはっきりしている印象を受けます。


一昔前にあった「帰宅部」に対する後ろめたさはなく、むしろ自由に時間を使えることが魅力的ととらえられているようです。世代交代とともに親の認識も変わってきており、子どもの意見を尊重する家庭が増えてきたことも背景にありそうですね。少子化により子どもの人口が減っているだけでなく、価値観の移り変わりも部活動に対する考えを変えていると思われます。



興味深いデータがありましたので表を作成しました。


※日本中学校体育連盟の公表資料を基にDZHフィナンシャルリサーチ作成


日本中学校体育連盟が毎年「加盟校・加盟生徒数調査集計表」を公表しており、ここには中学校で運動部に所属する人数が書かれています。加盟していない学校は集計対象外ですが、令和6年度(2023年度)時点で加盟校の総合計は1万校。日本全体の動向を見るのに十分なデータです。


筆者が中学生だったころと比べてみると、部活をしている中学生は令和6年時点で90万人近く減っています。当時から人数が少ない部活は少なくありませんでしたので、これだけ減ってしまうと廃部になった部活動も多いと思われます。


今後は何が求められる?

報道によれば、神戸市については学校施設などを利用するクラブ活動「KOBE◆KATSU(コベカツ)」を始めて、生徒が市内のクラブ活動を自由に選べるようにするとのことです。地域のスポーツ団体などが運営主体だといいます。


神戸市に限らず、少子化、教員不足などによって部活動の存続が厳しい自治体は少なくないとみられます。追随して同じような方針を立てる自治体が出てくると想定されるので、将来的には全国的に部活動が終了する可能性があります。


とはいっても、今の子ども全員が部活をやりたくないというわけでもありません。成長著しい時期に、部活動で心身を鍛えるのは良いことです。プロ選手の活躍が伝われば、スポーツをやりたいと思う子どもも増えるでしょう。そういった時に、部活の代わりとしてスポーツができる環境を整えるのは非常に重要なことです。


民間企業が運営する場合はどうしても利益を求める必要がありますが、中学校の部活動であれ、ユニフォームやシューズなどの用品は高いです。それに加えて、もし会費が高額だとクラブ活動を断念せざるを得ない家庭が出てくるかもしれません。幸い民間運営だと柔軟な運営が期待できるため、クラブ活動を望む中学生を幅広く受け入れられることを願います。


上に乗せた表の通り、令和6年時点でも部活動に所属する生徒数は180万人弱であることが分かります。今後も減少する可能性が高いですが、民間主体のクラブ活動に新たなビジネスチャンスがあるかもしれません。スポーツ用品、スポーツ施設運営などを行う上場企業は数多く存在するので、そういった企業が新たな活路を見出せるか注目です。


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日本株情報部 アナリスト

畑尾 悟

2014年に国内証券会社へ入社後、リテール営業部に在籍。個人顧客向けにコンサルティング営業に携わり、国内証券会社を経て2020年に入社。「トレーダーズ・ウェブ」向けなどに、個別銘柄を中心としたニュース配信を担当。 AFP IFTA国際検定テクニカルアナリスト(CMTA)

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