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【気になるテーマ解説】「Web3.0」ってなんだ?


最近、「Web3.0(ウェブスリー)」という言葉をよく耳にします。ウェブがインターネット関係の言葉ということは分かりますが、「3.0」が何なのかよく分かりませんよね。今回は、昨今の話題となっている「Web3.0」について解説していきます。


Web3.0とは


Web3.0は、イギリスのコンピューター科学者であり、暗号資産「イーサリアム」の共同設立者でもあるギャビン・ウッド氏(2022年時点42歳)が提唱した言葉です。何かのサービス名というわけではなく、インターネットの時代を表す言葉のようです。


現時点で、インターネットには大きく分けて3つの時代があるとされ、それぞれ「Web1.0」「Web2.0」「Web3.0」と呼ばれます。

各時代を簡単にまとめると

このようになるようです。


世代によって、インターネットを使い始めた時の環境は全然違いますよね。30代前半の筆者がインターネットを初めて使ったのは、小学校の授業でした。すでに2000年を過ぎていたものの、キーボードを打つ練習と「Yahoo!きっず」で思い浮かんだ言葉を検索するくらい。時代的にはまだWeb1.0です。


インターネットの変遷


Web1.0は、ちょうどインターネットの普及が始まったばかりのころからです。できることと言えば、eメールでやり取りを行う、文字中心のウェブサイトを閲覧するくらい。もちろん一般家庭にはまだ浸透していません。


その後、ケータイが普及するにつれて、加速度的に進んでいきます。筆者が中学生のころ(2005年以降)、ザッパラス<3770>が運営していた国内SNSの先駆けともいえる「前略プロフィール」や「ミクシィ」などが仲間内で流行りはじめました。Youtubeやニコニコ動画もこのあたりから流行った印象です。なお、当時はまだガラケーが全盛期の時代でした。


2007年に、米アップルからiPhoneが発売されたことをきっかけに、スマートフォンの普及が急拡大。ツイッターやフェイスブック、LINEといった今も現役のSNSが躍進したのもこのころです。時間の経過とともに、写真中心のインスタグラム、ショートムービーのTikTokなど、一部分に特化したSNSも誕生しました。

さまざまなSNSが広まった結果、アカウントさえ持っていれば、世界中の誰とでもコミュニケーションを取れるようになりました。一国の大統領や、有名人にも直接メッセージを送ることができます。一昔前では考えられないですよね。これらができる今は、Web2.0の最盛期と言えそうです。


そしてWeb3.0へ


本題のWeb3.0ですが、「データを分散管理する」と聞くと、いまいちピンときませんよね。


ざっくばらんに説明すると、現状ではサービス提供企業(例えばフェイスブックのメタ・プラットフォームズ)のサーバーでデータを保管しているため、フェイスブックあらゆるデータはメタに集中します。これを中央集権型といいます。

それではサイバー攻撃のリスクが高まりますし、企業側に個人情報を知られるプライバシー問題、アカウントを凍結された場合に自分のデータが使えなくなるなどの問題点も発生しますよね。


こういった現状に対し、個々人がデータを管理する(非中央集権型)ようにして、中央集権型の諸問題を解決しようというのがWeb3.0です。

そのためにブロックチェーン技術が使われ、取引(ブロック)を一つの鎖のようにつなげて管理することで、データが正しいものであることを裏付けようということになります。


Web3.0の根幹をなすブロックチェーン


一時話題になったNFT(非代替性トークン)は、偽造ができないデジタル資産と言われていますよね。なぜ偽造ができないのかというと、ブロックチェーンとして過去の取引がすべてつながっているからです。


ブロックを改ざんするとハッシュ(前のブロックの取引情報を要約したもの)が前のものと異なる・・・などの理由によるものですが、ややこしいため、ここでは割愛します。大雑把に言うと偽造されたものにはブロックチェーンで管理された過去の記録がないので、本物である証明ができないということですね。これにより、このNFTが本物ですと言えるようになります。

こういった理由から、個々人がデータを管理するWeb3.0ではブロックチェーン技術は必要不可欠と言われています。ちなみに、あっちこっちで取り上げられる「メタバース」は、Web3.0において広がると予想される仮想空間でのサービスの総称です。なので、3D空間で遊べるだけのサービスは、ブロックチェーン技術が根幹となる本来のメタバースとは違うかもしれませんね。


Web3.0への取り組みは?


まだまだWeb3.0という言葉だけが先行していて、意味までは周知されていない印象です。とはいっても、新しい分野にはもれなくビジネスチャンスがあり、各国の企業が続々とWeb3.0分野に投資を始めています。

そのなかでも、最も印象深いのはメタ・プラットフォームズではないでしょうか。2021年10月、大々的に社名を変更するとともに、メタバースへ100億ドル(当時で約1.1兆円)投資すると発表したことが話題になりました。


GAFAの一角が本気を出した!という空気が広がり、国内ではメタリアル<6182>やシリコンスタジオ<3907>など、メタバース・VRに関係する銘柄が買われたりもしました。ただ、メタが巨額を投じて開発したメタバースサービス「Horizon Worlds」は、グラフィックのチープさが悪い意味で話題になるなど、あまり芳しくない様子です。今後、アップデートにより改善するとのことなので、期待したいですね。


国内では、2022年11月8日にNTTドコモがWeb3.0に6000億円規模の投資をすると発表。バンダイナムコホールディングス<7832>も、中期経営計画においてメタバースでIP(ゲームなどの知的財産)を活用するデジタル基盤の開発などに150億円投資する方針です。


話題にはなりつつも、身近になるのは少し先になりそうですし、中には難しそうな話もあって実感が湧かないかもしれません。ただ、普及当初のインターネットやSNSの利用は、最初は誰にでも抵抗があったと思われます。しかし、いつの間にか広く浸透して当たり前の存在となっていました。Web3.0における新しいサービスも、いつの間にか私たちの当たり前となって生活に溶け込んでいくのかもしれません。


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日本株情報部 アナリスト

畑尾 悟

2014年に国内証券会社へ入社後、リテール営業部に在籍。個人顧客向けにコンサルティング営業に携わり、国内証券会社を経て2020年に入社。「トレーダーズ・ウェブ」向けなどに、個別銘柄を中心としたニュース配信を担当。 AFP IFTA国際検定テクニカルアナリスト(CMTA)

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